【本作を第1回から読む】出したのにお腹が張るのは、おしりの「出口」で事件が発生!? 「出口の便秘」とは【チェックシート付】
『便秘の8割はおしりで事件が起きている!』 (佐々木みのり/日東書院本社)第3回【全6回】
慢性的に悩まされている人も多い「便秘」。しかし、便秘にまつわる情報には誤解が多かった? 便秘は「おなか(腸)」の問題と思われがちですが、その多くが「出口(直腸・肛門)」で起きていた...。『便秘の8割はおしりで事件が起きている!』は、大阪肛門科診療所副院長の佐々木みのりさんが、便秘の原因と対策をわかりやすい図解とともにやさしく解説してくれます。正しい知識を得て、スッキリ健康な生活を送りましょう!
※本記事は佐々木みのり著の書籍『便秘の8割はおしりで事件が起きている!』(日東書院本社)から一部抜粋・編集しました。
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排便のタイミングは脳がコントロールしている
食事などをきっかけに強いぜん動運動が起こると、便は直腸に向けて押し出されます。便の移動によって直腸の内圧が高まると、その刺激が直腸壁の神経から仙随(※)の排便中枢神経に伝わり、大脳皮質に伝達されます。すると、直腸に入った便の重さが刺激となって大脳に伝わり便意となります。
排便の用意が調って排泄の指令が出ると、腹筋が緊張して腹圧が加わり、肛門括約筋がゆるんで便の排泄をおこないます。反対に、排便ができない状態だと脳が判断すると、「我慢する」指令を出して肛門括約筋を緊張させて便意は消失します。
※仙椎の中を通る脊髄
便意が起きたら我慢しない!
便意は予告もなく起こります。そのため、便意が起きてもすぐにトイレに行けないことも多く、ついつい我慢をしがちです。そうやってトイレに行くのを後回しにする「便ためトレーニング」をしていると、便意は15分もすれば消えてしまいます。
しかし、一度直腸まで下りてきた便は、出してしまわないかぎりそこに居続けます。忘れてはならないのは、便意を感じているときは、直腸と肛門はすでに排便態勢にあるということ。全部出し切って出残り便をつくらないようにするためには、この機を逃さず、トイレに行くことが大切なのです。
「便ためトレーニング」をしていませんか?
「今はちょっと......」と、トイレに行くのをためらう便ため習慣が、出口の便秘の原因に!
便が直腸に下りてくると、その情報が仙随にある排便中枢から大脳皮質に伝わり、便意が起こる。排便ができる状態かどうかによって、脳が我慢するか、排便するかの指示を出す。