【本作を第1回から読む】男性40歳、女性50歳くらいから「おしっこの悩み」が本格化!? 加齢でトイレが近くなる意外な理由
『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』 (堀江重郎/SBクリエイティブ)第5回【全7回】
頻尿、残尿感、尿失禁など尿にまつわる悩みを抱えていても、年のせいだからと軽視していませんか? じつは「寿命が縮まるサイン」の表れかもしれません。泌尿器科の名医・堀江重郎先生による『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』は、尿と病気の因果関係をわかりやすく解説しています。尿トラブルは、対処可能なものが多いのも事実! 今すぐ取り入れられる予防法を実践して、クオリティ・オブ・ライフを上げていきましょう!!
※本記事は堀江重郎著の書籍『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』(SBクリエイティブ)から一部抜粋・編集しました。
腎臓と膀胱を死ぬまで守る黄金ルール
男性42歳、女性52歳が「血管年齢の曲がり角」
わたしたちは、食べ物から栄養素をとり入れることで、命をつないでいます。ごく簡単にいうと、体内に入った食べ物は、消化吸収の過程で、細胞中のミトコンドリアによってエネルギーへと変換されます。その副産物として生まれるのが、今までにも繰り返し登場している有害物質、活性酸素です。からだには活性酸素を無毒化する機能も備わっていますが、その機能は年を重ねるにつれてどんどん衰えていきます。
たとえば、年をとると、若いころにはなかったような体臭が現れるものですが、これも活性酸素の処理能力が衰えたサインです。活性酸素を処理し切れないために、体内の脂肪が酸化し、俗にいう「加齢臭」を生み出すのです。
もっと深刻なのは、活性酸素が細胞を酸化させることで、血管にサビが広がることです。最近は、「血管年齢」という言葉も広がりつつありますが、これは要するに、活性酸素によって血管の細胞が、どれくらいサビているか、ということなのです。
血管は全身に張り巡らされていますから、血管のサビは、あらゆる臓器や組織の衰えにつながります。なかでも大きな影響を受けるのは、やはり腎臓です。血液をろ過する腎臓には、とくに多くの血管が集まっており、血管がサビて機能が衰えることは、そのまま腎機能の衰えにつながるといえるのです。
また、膀胱の血管がサビると、膀胱の筋肉が硬くなって、尿の「貯水量」が下がります。頻尿や夜間頻尿、残尿感、排尿困難などの尿トラブルを予防、改善するためにも、なるべく血管を若く保つことが重要です。
では、何歳ごろから血管は衰えはじめると思いますか? 一般的な傾向として、女性では52歳くらい、男性では、なんと42歳くらいが「血管年齢の曲がり角」です。42歳といえば、まだ若いうちに入りますから、驚いた人も多いのではないでしょうか。
男性ならば、朝の勃起現象、いわゆる「朝勃ち」があれば、まだまだ血管が柔軟で、機能が十分保たれていると見ていいでしょう。「そういえば近ごろないな......」という人は血管のサビが進んで、腎臓の機能が落ちてきているかもしれません。