「血管年齢の曲がり角」は男性42歳、女性52歳!? 泌尿器科医が指南「腎臓と膀胱の若さ」を保つ秘訣

どうしたら、血管を若く保てるか

活性酸素による酸化ストレスを減らせば、血管年齢の加齢スピードを鈍化させ、血管を若く保つことができます。それは、腎臓の機能を守るだけでなく、膀胱の柔軟性を保つことにもつながります。1つには、血管が健康であれば膀胱の筋肉もしなやかに保たれるからですが、もう1つ理由があります。

膀胱の柔軟性には一酸化窒素もひと役買っています。この一酸化窒素は、活性酸素により減ってしまいます。つまり活性酸素が大量に発生するような生活や、抗酸化物質に乏しい食生活を続けていると、一酸化窒素が抗酸化のためにどんどん使われ、膀胱の柔軟性が失われてしまうのです。

活性酸素は、心身がストレスにさらされたときに、たくさん生じます。食べすぎや早食いもからだにはストレスとなり、活性酸素が増える一因になります。

したがって、肉体的、精神的ストレスを溜めないこと、うまく発散すること、食事はゆっくり噛んで、腹八分目くらいの適量を食べること。と同時に、野菜や果物、豆類など、抗酸化作用のある食べ物をたっぷりとることも重要です。

加齢によって活性酸素の処理能力が下がるぶん、中高年になったら、つとめて酸化ストレスが増えないような生活を送っていきましょう。

 

堀江重郎
泌尿器科医、医学博士。1960年生まれ。日米の医師免許を取得し、米国で腎臓学の研鑽を積む。2003年帝京大学医学部主任教授、2012年より順天堂大学大学院医学研究科泌尿器科学主任教授。順天堂医院泌尿器科長。腎臓病・ロボット手術の世界的リーダーであり、科学的なアプローチによるアンチエイジングに詳しい。日本抗加齢協会理事長、日本メンズヘルス医学会理事長。

※本記事は堀江重郎著の書籍『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』(SBクリエイティブ)から一部抜粋・編集しました。
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