「早食い・大食い・肉食」は危険因子。泌尿器科医が提唱、20人に1人が激痛「尿路結石」を発症する理由

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『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』 (堀江重郎/SBクリエイティブ)第4回【全7回】

頻尿、残尿感、尿失禁など尿にまつわる悩みを抱えていても、年のせいだからと軽視していませんか? じつは「寿命が縮まるサイン」の表れかもしれません。泌尿器科の名医・堀江重郎先生による『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』は、尿と病気の因果関係をわかりやすく解説しています。尿トラブルは、対処可能なものが多いのも事実! 今すぐ取り入れられる予防法を実践して、クオリティ・オブ・ライフを上げていきましょう!!

※本記事は堀江重郎著の書籍『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』(SBクリエイティブ)から一部抜粋・編集しました。


ほんとに痛い!「尿路結石」は、なぜできる?

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結石になりやすい人はどんな人?

尿路結石が詰まって七転八倒するほどの痛みに襲われたという人は少なくありません。尿路結石は非常に頻度が高く、30代から40代を中心に、20人に1人が一生に一度は経験するといわれています。

年齢との相関性は低いといえますが、性別とは強い関連性があります。男性ホルモンには、結石がつくられやすい作用がある一方、女性ホルモンには結石をつくられにくくする作用があるため 3対1の割合で女性より男性のほうに多く見られるのです。

尿路結石の約8割は、シュウ酸カルシウムの結晶が尿路で成長したものです。結石が留まっている場所によって、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石となります。

よく見られる傾向として、シュウ酸を多く含む食べ物や炭水化物・動物性タンパク質・脂質を多くとっている人ほど、シュウ酸カルシウムが結晶化しやすいことがわかっています。早食い、大食いで夜遅く食事をする人に多いのが特徴です。

肉を好んで食べる人がなりやすいのが尿路結石で、糖尿病になりやすいといわれています。尿が強酸性に傾いている可能性がありますので、野菜をとって、尿が弱酸性になるようにしましょう。尿路結石を繰り返す人には尿をアルカリ性にする「クエン酸」(レモンなどに含まれている酸っぱい成分)の製剤に予防効果があります。

食生活以外では、尿路の奇形や前立腺肥大症、尿道閉塞などで尿路の一部分に尿が滞ると、結石の元となる成分が集まり、固まりやすくなります。その他、慢性の感染症や、脳・脊髄損傷、代謝異常がある人も、結石ができやすいという傾向があります。 

 

堀江重郎
泌尿器科医、医学博士。1960年生まれ。日米の医師免許を取得し、米国で腎臓学の研鑽を積む。2003年帝京大学医学部主任教授、2012年より順天堂大学大学院医学研究科泌尿器科学主任教授。順天堂医院泌尿器科長。腎臓病・ロボット手術の世界的リーダーであり、科学的なアプローチによるアンチエイジングに詳しい。日本抗加齢協会理事長、日本メンズヘルス医学会理事長。

※本記事は堀江重郎著の書籍『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』(SBクリエイティブ)から一部抜粋・編集しました。
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