尿もれ防止のために。看護師考案エクササイズ「すべり台」で「骨盤底筋」を引き上げ!/もれ止めエクサ

咳やくしゃみをしたとき、大笑いしたとき、重い荷物を持ったとき...自分の意志とは関係なく「尿もれ」してしまった経験はありませんか? 実は性別や年齢に関係なく「尿もれ」で悩んでいる人は多いんです。特に女性は6割以上が尿もれ経験者。そこで今回は、看護師でパーソナルトレーナーであるMIKKOさんの著書『尿もれに効くうえ、お腹も凹む!看護師考案のもれ止めエクサ』を紹介します。運動が苦手な人でもできる簡単な動きで、こっそり「尿もれ」を克服しましょう。

※本記事はMIKKO著の書籍『尿もれに効くうえ、お腹も凹む!看護師考案のもれ止めエクサ』から一部抜粋・編集しました。

【前回】まずは自分の姿勢のクセをセルフチェック! 「もれない体づくり」に必要なものは

3週間で徐々にステップアップ。
「もれ止めエクサ」を始めよう!

「もれ止めエクサ」は、運動が苦手な人や体力のない人も無理なく骨盤底筋を鍛えられるよう、1週間ごとに少しずつステップアップしていくプログラム構成です。

1回3~5分程度と短時間でできるので、まずは毎日1回、3週間続けてみましょう。

骨盤底筋は普段ほとんど意識することがない筋肉なので、最初は骨盤底筋を動かす感覚がつかめない人がほとんどです。

そこで、1週目に行う「すべり台」のエクササイズでは、まず呼吸に合わせて骨盤底筋だけを引き上げる練習をます。

毎日くり返すうちに、少しずつ感覚がわかってくるはずです。

もれ止めエクサでたいせつなことは3つです。

1つ目は骨盤底筋を始めとしたインナーユニットを意識すること。

2つ目はアライメント(骨格の位置関係)。

どのエクササイズのときも、背すじを伸ばし、できるだけ体を左右対称にします。

3つ目は呼吸。

呼吸で骨盤底筋が引き上がる感覚をつかみ、効率よく鍛えるため、エクササイズの最初に必ず、「胸回し」をていねいに行います(2分目安)。

なお、骨盤内臓器脱の人は、臓器が下垂したままトレーニングを行うと、症状を悪化させてしまう可能性があります。

骨盤臓器脱やおまたの重だるい感覚がある人は、2週目以降もすべり台のエクササイズで臓器を上に戻してから、エクササイズを行ってください。

また、エクササイズ中におまたを押し出す感覚になる場合は、そのエクササイズは中止してください。

もれ止めエクサは、産後の尿もれ対策としても効果的です。

出産後なるべく早くから行うほうが、経膣分娩で傷ついた骨盤底筋や周囲の神経のダメージ回復にいいとされていますが、出産後の体の状態には個人差があります。

痛みがある程度治まり、医師からOKが出たら始めるとよいでしょう。

1週目のもれ止めエクサ

すべり台

【特に効果の期待できる症状】
・尿もれ
・ぽっこりお腹
・軽度の臓器脱
・猫背
・呼吸の浅さ※

※疲労・だるさ・不安・イライラなどに つながる

骨盤底筋だけを動かす実感を!

1週目:身体をリラックスさせて呼吸とともに骨盤底筋だけ動かします

1週目の課題は「すべり台」。

息を吐きながら、おならを我慢するように穴をすぼめ、骨盤底筋を引き上げる練習です。

最初はお尻にクッションを敷き、全身脱力した状態でトライ。

骨盤底筋だけが動く感覚をつかめたら、クッションを外してOK。

体幹、足、お尻の筋肉も鍛えられます。

この週から3週目までのプログラムに共通して取り入れているのが、動作とともに行う「長い呼吸」「短い呼吸」の2つの呼吸法。

いずれも、下部胸式呼吸法で行います。

長い呼吸は、骨盤底筋の持久力を高めて、臓器を支える力を強くするための呼吸法。

短い呼吸は、とっさのときにキュッと尿道を締める瞬発力をつけ、もれを防ぐための呼吸法です。


【所要時間】

呼吸筋ストレッチ胸回し(2分)+滑り台(1分)=3分


もれ止めエクサ

すべり台のやり方

「すべり台」は骨盤底筋を鍛える基本の動き。

呼吸に合わせて骨盤底筋をゆるめたり引き上げたりする感覚をつかみましょう。

1.骨盤底筋を感じながら呼吸を行う

(1)長い呼吸

息をハーっと吐きながら骨盤底筋を引き上げる

    ↓

引き上げたまま自然な呼吸で10秒キープ(10秒キープ×3回)

(2)短い呼吸

短く息をハッと吐きながら骨盤底筋を引き上げる

    ↓

骨盤底筋をゆるめて息を吸う(ハッ→吸う、ハッ→吸う......とテンポよく10回くり返す)

尿もれ防止のために。看護師考案エクササイズ「すべり台」で「骨盤底筋」を引き上げ!/もれ止めエクサ P58_01.jpg

クッションで高さをつけることで、骨盤が斜めに傾いて、内臓が胸の方にきた感じがあればOK

【もっとカンタン!】骨盤底筋が感じられなかったら椅子を使います

椅子や台に両足をのせ、足やお尻の力を抜いて、呼吸を行う

尿もれ防止のために。看護師考案エクササイズ「すべり台」で「骨盤底筋」を引き上げ!/もれ止めエクサ P59_01.jpg

【慣れてきたら...】骨盤底筋が感じられたらクッションなしでトライ!

尿もれ防止のために。看護師考案エクササイズ「すべり台」で「骨盤底筋」を引き上げ!/もれ止めエクサ P59_02.jpg

あお向けで両ひざを立て、息を吐きながらお尻の方から背骨を一本ずつ持ち上げる。" ひざから肩まで一直線"の姿勢をキープして呼吸を行う

 
※この記事は『尿もれに効くうえ、お腹も凹む!看護師考案のもれ止めエクサ』(MIKKO/KADOKAWA)からの抜粋です。
PAGE TOP