「塩分過多+糖質過多」は最悪の組み合わせ。泌尿器科医が推奨、生活習慣病を予防する「4つの基礎習慣」

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『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』 (堀江重郎/SBクリエイティブ)第6回【全7回】

頻尿、残尿感、尿失禁など尿にまつわる悩みを抱えていても、年のせいだからと軽視していませんか? じつは「寿命が縮まるサイン」の表れかもしれません。泌尿器科の名医・堀江重郎先生による『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』は、尿と病気の因果関係をわかりやすく解説しています。尿トラブルは、対処可能なものが多いのも事実! 今すぐ取り入れられる予防法を実践して、クオリティ・オブ・ライフを上げていきましょう!!

※本記事は堀江重郎著の書籍『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』(SBクリエイティブ)から一部抜粋・編集しました。


「塩分過多+糖質過多」は、腎臓がんを招く最悪の組み合わせ

「塩分過多+糖質過多」は最悪の組み合わせ。泌尿器科医が推奨、生活習慣病を予防する「4つの基礎習慣」 尿で寿命は決まる_記事06アイキャッチ.jpg

1日に推奨される塩分摂取量は男性で7.5グラム、女性で6.5グラムですが、現代日本人では、1日10グラム以上もの塩をとっている人も多いと見られています。

塩には、腎臓で活性酸素を増やすという作用もあります。高血圧を招くだけでなく、活性酸素が増えるという意味でも、塩分過多の食事は腎臓の最大の敵といっていいでしょう。

さらに、塩分過多に糖質過多が合わさった食生活は、高血圧、酸化ストレス、さらには肥満を招くという点で、とくに腎臓がんを招きやすい最悪の組み合わせです。

たとえば、ラーメンが大好きで、週に何度も食べる、しかも必ず大盛りを注文し、スープまで飲み干す――といった食習慣がある人は、それだけ腎臓がんのリスクは高いといえるでしょう。

腎臓は位置的に、内臓脂肪に含まれる炎症物質、サイトカインのダメージをもろに受けます。糖質の摂取量が多いと、カロリーが高くなって内臓脂肪の増加を招くのはもちろん、そこに塩分過多が加わると、さらなる悪影響が体内で起こり、腎臓がんにかかりやすくなるのです。

からだに糖質がたくさん入ってくると、インスリンが多く分泌されますが、インスリンには、糖質の代謝を促す以外に、じつはナトリウムの再吸収を促す作用もあります。

塩分過多+糖質過多という食生活をしていると、高カロリーのために肥満を招くうえ、腎臓でろ過されたナトリウムがより多く再吸収され、高血圧になりやすいというわけです。

しょっぱいおかずは、ついご飯やパンが進みがちです。減塩は、塩分過多を正すとともに、糖質のとりすぎによる肥満防止にもつながるでしょう。

ただ、塩は食べ物に溶け込んでいるため、なかなか摂取量を把握しづらいものです。本気で減塩にとり組むなら、検査機関に尿を送るだけで塩分摂取量がわかる「シオチェック」を活用するのもおすすめです。

ちなみに、長い間、健康の大敵とされていた「脂質」は、今ではそれほど無理して控えなくてもいいと考えられています。たしかに脂質は、糖質、タンパク質の3倍近くもカロリーが高いため、とりすぎれば肥満につながります。

その一方で、脂質には、体内で細胞壁やホルモンの材料になるなど、さまざまな重要な用途があることも事実です。高齢になると、むしろコレステロールが足りないために、健康を害する可能性があることも指摘されているくらいです。

 

堀江重郎
泌尿器科医、医学博士。1960年生まれ。日米の医師免許を取得し、米国で腎臓学の研鑽を積む。2003年帝京大学医学部主任教授、2012年より順天堂大学大学院医学研究科泌尿器科学主任教授。順天堂医院泌尿器科長。腎臓病・ロボット手術の世界的リーダーであり、科学的なアプローチによるアンチエイジングに詳しい。日本抗加齢協会理事長、日本メンズヘルス医学会理事長。

※本記事は堀江重郎著の書籍『尿で寿命は決まる 泌尿器の名医が教える 腎臓・膀胱 最高の強化法』(SBクリエイティブ)から一部抜粋・編集しました。
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