顔から汗が止まらない、イライラが抑えきれない、 悲しくもないのに涙が出る...それは「女性ホルモン」が原因かもしれません。そこで、15年間婦人科に通い続けドクターと二人三脚で若年性更年期を乗り越えた葉石かおりさんの著書『死んでも女性ホルモン減らさない!』(KADOKAWA)より、女性ホルモンと更年期の関係や食生活、運動、心のケアについてご紹介します。
「心のケア」もまた大切な治療の一つ
更年期症状を引き起こす要因の一つに「心理的要因」があります。
更年期世代はちょうど子どもの自立、親の介護、夫の退職など、これまでの生活がガラッと変わる時。
これらがストレスとなり、更年期症状がひどくなることがあります。
ストレスと感じるか、サラッと流せるかは、当人の性格次第。
その性格形成の一因となっているのが、「どんなふうに育てられたか」です。
吉野先生によると「親にあまりほめられずに育った人の多くは自己肯定感が低く、物事をネガティブに捉えやすい傾向がある」そう。
「ネガティブに考えてしまう思考のクセを直すには、つらかった経験を誰かに話す、または書くことが有効」と吉野先生。
更年期は人生の折り返し地点。
後に続く人生のためにも思考のクセを直し、カラダと一緒に心もケアしてあげましょう。
人は変えられない、だから自分が変わる
「何事もネガティブに考えてしまう人は、更年期の症状が重く出やすい」
まさに吉野先生の言う通り。
この私がそうだったのです。
自覚できる成功体験が皆無だったことが影響していたのですが、自己肯定感は低いなんてもんじゃなかったです。
「私なんて......」が口グセでした。
吉野先生にカウンセリングしていただき、自分は物事をネガティブに捉えやすく、トラブル時に自分を責めてしまう思考のクセがあることに初めて気づきました。
先生曰く「まず気づくこと」が大事なのだとか。
気づくことで、意識が変わるからです。
思考のクセを変える際、最初に意識して欲しいのは「言葉の使い方」。
例えば、「雨が降って残念」ではなく、「雨が降ったから肌が潤う」といったように言葉をポジティブに変換すると、次第にこのクセが身についてきます。
私自身、これを習慣化したことで「私なんて」という最高峰のネガティブワードを封印することができました。
また吉野先生に、「相手を気にし過ぎて、自分をないがしろにしないで」と言われたこともポジティブ思考へと変わる鍵となりました。
自分より相手を優先してしまうと、何かトラブルがあった際、相手を責めてしまいがちです。
こうなると人間関係もギクシャクしてしまうんですね。
そして吉野先生からはもう一つ、「相手に変わって欲しいと思ってはダメ。自分が変わらないと」とアドバイスしてもらいました。
今になって思うと、私にとっては、これが一番のポイントだったような気がします。
相手に過度の期待をしなくなったことで、いい意味でのあきらめがつき、気持ちがラクになりました。
ねじれにねじれていたネガティブな思考のクセを克服したことで思ったのは「最終的にネガティブな呪いを解くのは自分しかいない」ということ。
正直、心に蓋をして、見て見ぬふりをしていた記憶と対峙するのはつらいこともたくさんありました。
でも更年期という人生の折り返し地点で自分を見つめ直し、心の歪みや思考のクセを直すことができてよかったと、今改めて心の底から思います。
若い頃に戻りたいなんて思わない。
これからの人生がますます楽しみです。
女性ホルモンと更年期の関係や、更年期での食生活・運動・心のケアなどが、3章にわたってわかりやすく解説されています