加齢による長い「右肩下がりライフ」どう生きる? 50代女医が伝えたい「体の衰えとの向き合い方」

自分の体が思うようにならない...、そんな違和感がありませんか? 女性は特に40代以降、更年期や閉経という新しいモードに入っていく過程で、なんらかのトラブルはつきものです。そこで、『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(常喜眞理/すばる舎)より、女性家庭医である著者が提案する、それぞれの年代で起こる女性の体の変化への「上手な対応策」を、連載形式でお届けします。

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さて、ここまで40代の更年期とのつきあい方に始まり、50代、60代、70代と加齢対策について述べてきました。

いかがですか?
「体のあばれ」はうまく乗りこなせそうでしょうか。少しでもお役に立てば幸いです。

さて、人生100年時代ですから、80代、90代はどうするの?というご意見もあるでしょうが、70代までの"体のあばれ"とうまくつきあえた方は、きっとその先は大丈夫。

自信を持って、笑顔を忘れずに毎日を過ごしてください。

とはいっても、ライフ・ゴーズ・オン。

人生は続くのですから、最後に少しだけ80代以降のことをお話ししたいと思います。
50代の若輩者の、ひとつの意見としてお読みください。

実は、日本人がこんなに長生きするようになったのはつい最近のことです。

1947年時点で日本人の平均寿命は男性で約50歳、女性で約53歳でした。
1960年時でも男性で約65歳。かつては55歳定年でしたから、退職後、10年ほどでかなりの方が亡くなっていたことになります。

その後、さらに平均寿命は延び続け、2015年には男性で約80歳、女性で約87歳に達します。少子化と相まって、日本は世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んだ社会なのです。

その高齢化のスピードゆえに、これほどまでにヒトが長生きすることに、いまだ社会は対応し切れていません。

医療に留まらず、政治や経済もとまどっている状態ではないでしょうか?

加えて個人にとっても、加齢は誰にとっても初めての経験です。長生きすることに、社会も個人も慣れていないのです。

かつて日本の経済は右肩上がりでした。

人生も右肩上がりできて、少しピークをすぎた頃に終末を迎えていたと言えるでしょう。

しかしいま、日本人には長い長い「右肩下がり」の期間を過ごす覚悟が必要なのです。これはなかなか難しい問題です。

更年期や加齢に対処するさまざまな方策を紹介してきましたが、老化を止めることは誰にもできません。

どんなに"負のサイクル"に陥らないように気をつけても、長い年月をかけて人は老い、最後には死に至ります。

これは貧乏な人もお金持ちも避けられません。

そうやって死に向かって老いていくことに、耐えられないと感じる方もいることでしょう。

私たちはどんな心持ちで、長い「右肩下がりライフ」を生きていけばよいのでしょうか。

これは簡単に結論が出る問題ではありませんが、先日、ちょっと救われるようなデータを目にしました。

100歳を超える高齢者たちに「あなたはいま、幸せですか」という問いを投げかけたところ、その過半数が心から「幸せです」と答えたそうです。

目や耳、味覚などの五感のおとろえも進み、ほとんどの人が車椅子や寝たきりに近く、外出もろくにできない生活なのに。

はたから見ればなんの楽しみもなさそうなのに、「いまが幸せ」と言えるということ。歳を重ねた先には、若い頃の想像とはまた違った世界が開けているようです。

私は体がおとろえたからといって、心までおとろえる必要はないと思っています。

そして体のおとろえに左右されない心の力。そんなものが人間にはもともと備わっているのではないでしょうか。

その力をどうやって目覚めさせていくのか、私もこれから、じっくり考えていきたいと思います。

鍵になるのは、「うつ病」でも申し上げた、「ありのままの自分を受け入れる」気持ちでしょうか。

みなさん、どうかご自愛ください。

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syoei002.jpg40代~70代まで、年代別に表れる症状の解説や、それに対する具体的な対応策を紹介。女性家庭医として著名な著者が、わかりやすく解説してくれる一冊です。

 

常喜眞理(じょうき・まり)

家庭医、医学博士1963年生まれ。常喜医院の院長としての診療とともに、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として、婦人科や乳腺外科の診察結果を総合的に最終診断する立場を担っている。テレビの健康番組にも多数出演。

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『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』

(常喜眞理/株式会社すばる舎)

40代からの女のカラダは健康リスクがてんこ盛りです!女性のための年代別アドバイスで心と体の次のモードに備えましょう。輝く後半生に向けて、めざせ健康オトナ女子!!!

※この記事は『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(常喜眞理/すばる舎)からの抜粋です。
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