自分の体が思うようにならない...、そんな違和感がありませんか? 女性は特に40代以降、更年期や閉経という新しいモードに入っていく過程で、なんらかのトラブルはつきものです。そこで、『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(常喜眞理/すばる舎)より、女性家庭医である著者が提案する、それぞれの年代で起こる女性の体の変化への「上手な対応策」を、連載形式でお届けします。
見過ごされやすい高齢者の「うつ病」のサイン
うつ病のサインは人によってさまざまですが、まず不眠が挙げられます。
不眠と言うより「不眠感」と言ったほうがいいかもしれません。
ある程度の時間、眠ってはいても疲れがとれない、寝た気がしない。
また、「何をしても面白くない」がうつ病の代表的な症状と言いましたが、特にそれまで大好きだった事柄に、急に興味がなくなるというのは危険なサインです。
あんなに大好きだった音楽だったのに、聴きたくなくなってしまった。大の読書家が、本を読まなくなった。熱心だった習い事をパタリとやめてしまう、などです。
ここで厄介なのは、高齢者のうつ病の場合、認知症と紛らわしい部分があり、周囲からは「歳だから」と見すごされがちなところです。
笑わなくなってしまった子どもには、周りも「どうしたの?」と心配しますが、高齢者がむっつりした顔をしていても、外出が減っても、「歳をとればそんなもの」と思ってしまう人が多いのではないでしょうか?
また、うつ病と似たような症状でも、別の病気の場合もあります。
私の診察した例では、子どもが巣立っていった途端に、体を動かす気力がなくなってしまった女性がいました。
最初はうつ病を疑っていたのですが、調べていくうちにパーキンソン病であることがわかりました。
パーキンソン病もうつ病も、脳のセロトニンという共通の神経伝達物質、最近は通称、「幸せホルモン」と言われる物質の低下がかかわっていますから、うつ症状が出てくるのも不思議ではありません。
気になったら一度診てもらう
精神科にかかるというと、抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。しかしメンタルクリニックや心療内科という言葉が生まれ、世間の意識も少しずつ変わり、以前ほど大げさなものではなくなりました。
気になったら、軽い気持ちで一度相談するといいと思います。
イラスト/加藤陽子
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40代~70代まで、年代別に表れる症状の解説や、それに対する具体的な対応策を紹介。女性家庭医として著名な著者が、わかりやすく解説してくれる一冊です。