85歳の日本最高齢!「ジャパンポンポン」チアリーダーの"人生を楽しく生きるヒント"とは?

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平均年齢71歳のおばあちゃんたちが踊るシニアチアダンスチーム「ジャパンポンポン」をご存じだろうか。チアダンス界ではかなり知られたチームだ。そのリーダーを務めるのが滝野文恵さん。御年85だから驚きだ。

「ヨボヨボのおばあさんがお遊びでやっているんでしょ?」と勘違いしてしまいそうだが、そんなことはない。チアリーディングやダンスを指導・育成するアメリカの団体「USA」の日本支部の副代表を先生に据え、週に1回、2時間半の練習をこなしている。個人練習も欠かさず行っており、なにより驚きなのは、滝野さんはこの活動を20年以上続けていることだ。なんとアクティブなのだろうか。『85歳のチアリーダー』(滝野文恵/扶桑社)には、日本最高齢チアリーダーが説く、人生を楽しく生きるヒントが書かれている。

■「ジャパンポンポン」の誕生

滝野さん率いる「ジャパンポンポン」は1996年に誕生。現在こそ24名が所属する大所帯だが、結成当初は5名の小さなチームだった。「ジャパンポンポン」発足のきっかけは、1995年、滝野さんが62歳のとき。留学経験のある滝野さんがアメリカの本を読んでいたとき、「平均年齢74歳のチアリーダーチームが存在する」という一文を読んで衝撃を受けた。お年寄りのチアリーダーなんて微塵も考えたことがなかったため、自分自身が「チアリーダー=若者がやるもの」という固定観念に縛られていることを思い知ったのだ。当時、日本には高齢のチアリーダーグループなど存在しない。「ならば、私がやろう」と思い至った滝野さん。そこから驚異的な行動力を見せる。その本に載せられていた情報を頼りに、「自分もチアをやりたいから教えてくれ」と手紙を書いて送りつけたり、その年の暮れに友達10人を集めてチアリーダーの勧誘をしたり、青山学院大学のチアリーディング部の学生にコーチをお願いしたり。結果、マスコミに取り上げられて有名になり、20年以上活動を続ける名物チアダンスチームになっている。

■座右の銘は「ダメでもともと」

ここまでの内容を読むと、「滝野さんは、なんてバイタリティにあふれる方だろうか」と思ってしまうが、案外そうではないらしい。「やってみたら、たまたま順調にいった」ということが何度かあっただけで、「壁にぶち当たって、それでも2度3度チャレンジ!」という経験はほとんどないと本人は語る。アメリカ留学から帰国した57歳のとき、その経験を活かして講師になろうとしたが、市のカルチャーセンターの担当者から「無理です」と言われると、「あっ、そ!」と簡単に引き下がってしまった。それに近いお願いを関西学院大学にしたところ、同様に断られ、やっぱり「あっ、そ!」で諦めてしまった。だが、滝野さん曰くこれがいいそうだ。興味がわいたことは、一度行動に移す。行動に移したら一生懸命に頑張る。けど、ダメだったらそこまで。決して無理はしない。なかなか行動に踏み出せない人は、「とりあえず一回トライしてみる」といいそうだ。やってみると案外うまくいくこともある。「とりあえず」でやったことなので、ダメでもともと。「あっ、そ!」でやめたっていいのだ。

■生きがいなんてなくても、生きられる

本書で滝野さんは「生きがいなんてなくても、生きられる」と断言している。「ジャパンポンポン」をしていると楽しい。チアダンスを見て喜んでくれる人がいると嬉しい。しかし「生きがい」とまでは言い切れないと感じているそうだ。自らはっきりと「生きがい」と言えるものを持っている人は幸せだ。しかし、メディアが決めつけるような「生きがい」をみんなが持っているわけでもないし、あいまいな「生きがいのようなもの」を無理やり持ったり、「生きがい」がないことに悩んだりする必要はない。生きがいを持たなくても生きられる。自分がしたいことをして、楽しく日々を過ごして一生を終える。それでいいではないかと読者を諭している。

本書を読むと、滝野さんの楽しそうな日々と、ちょっぴりお気楽な性格が垣間見えた。これこそが人生を楽しく生きるヒントではないだろうか。私たち人間は、生まれた頃から勉強、仕事、結婚など、様々な「やるべきこと」を背負わされる。しかしそれは誰かに頼まれた「やるべきこと」であって、「やりたいこと」ではない。人生を楽しく送りたいなら、たまには「やるべきこと」なんて、ぶん投げていい。ちょっぴり他人に迷惑をかけてもいい。やりたいようにやる。生きたいように生きる。これが人生を楽しく生きる秘訣ではないだろうか。

文=いのうえゆきひろ

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85歳のチアリーダー(滝野 文恵/扶桑社)
53歳で単身アメリカの大学院へ留学、63歳でシニアチアダンスチームを結成し、85歳のいまも現役のチアリーダー、滝野文恵さん。生きがいなんてなくても、幸せに生きられる。「良妻賢母」のわくにとらわれ苦しんだ時期を乗り越えて、「人生は楽しくなかったらウソ」と割り切れるようになるまで。
心がスカッとして、人生が楽しくなる痛快な書!
この記事は『ダ・ヴィンチニュース』からの転載です。

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