大人世代になると心配になってくる病気が「動脈硬化」「脳梗塞」「心筋梗塞」。これらは硬い血管が原因の1つと考えられています。、今回は、そんな硬い血管をやわらかくするための方法を、立命館大学 スポーツ健康科学部 教授の家光素行(いえみつ・もとゆき)先生にお聞きしました。
【前回】固くなったふくらはぎや前ももをしっかり伸ばす!血管がやわらかくなるストレッチ
体がやわらかくなると血管の柔軟性もアップ
「体が硬くなるのは年齢のせい」と思っている人は少なくないのではないでしょうか?
しかし、体が硬いまま放置していると、肩や背中、腰などのこりの原因になる、思わぬけがをするなど、不調を招きやすくなります。
「最近の研究では、体の硬さと血管の硬さは比例しているという結果があります。特に女性の場合、その傾向が強くみられます。若い頃の血管はゴムホースのようにしなやかでやわらかかったはずが、年齢を重ねるほどにコンクリートの管のように硬くなってしまうのです」と、家光素行先生。
血管が硬くなると、心筋梗塞や心不全、脳梗塞などを招く動脈硬化を引き起こす可能性が高まります。
しかし、「体の柔軟性が上がれば、血管もやわらかくなります。継続して取り組むことで、何歳からでも血管はやわらかくなります」と家光先生。
これから紹介する食事術で、やわらかな血管を目指しましょう。
血管がやわらかくなる
「きゅうり」の保存食
NOを増やす食事を習慣化
しなやかな血管を保つ
血管の若返りに不可欠なNOは、食事からも促すことができると家光先生。
「NO産生に役立つ栄養素の一つが、きゅうりやゴーヤに多いシトルリンというアミノ酸の一種。キャベツやごぼう、えのきだけ、ビーツに豊富な硝酸塩は、体内で亜硝酸塩に変化し、さらにNOに変換されます」
そこで、NOを増やす食材を使った保存食をご提案。毎日の献立に一品加えてみましょう。
NOを増やすきゅうり
NOの材料キャベツ
キャベきゅう
浅漬け感覚で食べられてアレンジもしやすい一品。スープやナムル、コールスロー、卵焼きや冷や汁に入れてもいい。
50gあたり9kcal/塩分0.3g
材料(作りやすい分量)
春キャベツ...1/3個(400g)
きゅうり...2本
塩...小さじ1
作り方
(1)キャベツは太めのせん切りにする。きゅうりは細切りにする。
(2)食品用のポリ袋に(1)と塩を入れて振り混ぜ、全体になじんだら袋の空気を抜いて冷蔵庫で保存する。
●保存は冷蔵庫で4~5日間可能
※保存期間は目安です。保存状態などにより異なる場合もありますのでご注意ください。
※保存容器は清潔で完全に乾いたものを使用してください。
《キャベきゅうで作る》
キャベきゅうとしゃぶしゃぶ肉のみそあえ
1人分231kcal/塩分1.0g
材料(2人分)
キャベきゅう...150g
豚肉(しゃぶしゃぶ用)...100g
(A)みそ...大さじ1/2
(A)白すりごま...大さじ1/2
(A)酢...小さじ1
(A)ごま油...小さじ1
(A)砂糖...小さじ1/2
(A)しょうが(すりおろし)...小さじ1/2
作り方
(1)鍋に湯を沸かし、沸騰してきたら豚肉を湯にくぐらせるようにして火を通す。ザルに上げ、水けを拭く。
(2)ボウルに(A)と(1)を入れてよく混ぜ、汁けをきった「キャベきゅう」を加えてあえる。
キャベきゅうとあじの混ぜご飯
1人分314kcal/塩分1.1g
材料(2人分)
キャベきゅう...80g
あじの干物...大1枚
青じそ...5枚
ご飯...茶碗2杯分(300g)
塩...少々
白いりごま...小さじ2
作り方
(1)あじの干物は魚焼きグリルで香ばしく焼き、骨、尾、ぜいごなどを丁寧に取り除いてほぐす。
(2)「キャベきゅう」は汁けをしっかりと絞る。青じそは茎を除いてせん切りにする。
(3)ご飯に、(1)、(2) を混ぜ、味をみて塩で味をととのえ、白ごまを振る。
焼き厚揚げのキャベきゅうのっけ
1人分229kcal/塩分0.4g
材料(2人分)
キャベきゅう...100g
厚揚げ...小2枚(300g)
塩...少々
かつお節...1パック
レモン汁...小さじ1
あればレモン...少々
作り方
(1)厚揚げは魚焼きグリルで焼き色が軽くつくまで焼き、塩を振る。
(2)「キャベきゅう」は汁けを絞り、かつお節とレモン汁を混ぜ、(1)にのせる。あれば薄切りにしたレモンを添える。
※塩分量は、食材に対する吸塩量を考慮して計算しています。
取材・文/寳田真由美(オフィス・エム) 撮影/米山典子 スタイリング/片野坂圭子 レシピ制作・監修・栄養計算/成澤文子