さまざまな疾患や見た目の老化、認知症などを引き起こす原因となる血管力の低下。通常、血管は年齢を重ねるにつれて衰えていきますが、運動や食事を見直すことで、その力を高めることも可能なのだとか。そこで今回は、池谷医院 院長の池谷敏郎先生に「血管の名医が食べているごはん」についてお聞きしました。
【前回】「血管力」を上げる「グーパー運動」と「ながら血管体操」/血管がみるみる若返る方法
【最初から読む】あなたの「血管力」は? 血管年齢マイナス29歳の名医が教える血管力を上げる5つの方法
私が食べているごはんを公開します!
魚料理でEPAをたっぷりと
「血管力を上げるには、青魚に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)を積極的に摂ってください」と、池谷先生。
EPAは血管内皮細胞の炎症をしずめ、血栓をできにくくしたり、動脈硬化や脳卒中の予防にも役立ちます。
「我が家では刺身をさくで購入し、お造りやカルパッチョ、ホイル焼きなどアレンジを楽しんでいます」
夕飯はカルパッチョが定番。刺身はさくで購入し、余った分は翌日ホイル焼きにするそう。
ちょい足し蒸し大豆で血圧も安定
蒸し大豆をしっかり嚙んで食べることで食べ過ぎ防止はもちろん、健康効果も期待できると池谷先生。
大豆に含まれるGABAは、神経の高ぶりを感じたときに出るノルアドレナリンを抑制し、血圧の安定に役立ちます。
「食事の最初に食べれば、食後血糖値の急上昇も防げます。ヨーグルトやみそ汁などにも加えて食べています」
レンチントマト大豆
トマトソース×蒸し大豆×チーズで手軽に作れる一品。
コンビニのサラダに
蒸し大豆をプラスすれば、栄養バランスも満点。
カレーに
ご飯を減らして蒸し大豆を。手軽に糖質オフできます。
朝はにんじんジュース
朝食は、手作りにんじんジュースのみという池谷先生。
「1日の食事で不足しやすいビタミン、ミネラルと水溶性食物繊維をジュース1杯でしっかり摂れます。オイルを加えることで、カロテンなど脂溶性ビタミンの吸収率もアップします」。
また、パンやご飯を食べるのに比べて血糖値を上げにくいのもうれしいポイントです。
【池谷式にんじんジュースの作り方】
材料(1杯分)
にんじん...1と1/2本(約250g)
りんご...1/2個
レモン...1/2個
エキストラバージンオリーブオイル...小さじ1
作り方
にんじん、りんご、レモンをジューサーにかけ、仕上げにオリーブオイルを垂らす。油はアマニ油やエゴマ油も可。
お好みで!
できあがったジュースに、くるみやアーモンドをすりつぶして加えてもOKです。
油は血管にいいオリーブオイルを
血管力を上げるには、どんな油を選ぶかも重要です。
「オリーブオイルには、抗酸化作用のほか、善玉コレステロールを減らさずに悪玉コレステロールを減らす効果が期待できます。加熱調理にも最適です」。
また、魚の摂取量が少ない人は、体内でEPAやDHA(※)に変わり、炎症を抑えるオメガ3系のエゴマ油などもいいです。
※DHA(ドコサヘキサエン酸)は、体内で合成できない不飽和脂肪酸の一つ。
【おすすめの使い方】
野菜ジュースに
飲む前に小さじ1/2~1杯程度を垂らす。スープに加えるのもいい。
カルパッチョやサラダに
エキストラバージンオリーブオイルに、塩、酢など、お好みで。
加熱調理にも
オリーブオイルは熱に強く、炒め物などの加熱調理にも向いています。
おしゃれな盛り付けで塩分控えめ
「塩分や糖質の高いものを食べたいときは、がまんはしません。ちょっとした工夫で食べ過ぎを防いでいます」と池谷先生。
食べる分だけ小皿に盛る、ラーメンや焼きそばは麺を半量にするなどの工夫で、食へのストレスをためません。
スナック菓子は、食べる分だけ小皿に盛り付けます。
ラーメンは、麺を半分にして、野菜などの具を多めに。
取材・文/オフィス・エム(寳田真由美) 写真提供/池谷敏郎先生 写真(オリーブオイル)/PIXTA