腸がダランとした状態に!?「50代からの便秘」の基礎知識

自分の体が思うようにならない...、そんな違和感がありませんか? 女性は特に40代以降、更年期や閉経という新しいモードに入っていく過程で、なんらかのトラブルはつきものです。そこで、『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(常喜眞理/すばる舎)より、女性家庭医である著者が提案する、それぞれの年代で起こる女性の体の変化への「上手な対応策」を、連載形式でお届けします。

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体内スペースが狭いため、女性はもともと便秘がち

この年代(50代)ぐらいから下痢も便秘もしやすくなるのですが、この正反対の症状がなぜ起こるのでしょう。

腸内細菌のアンバランスが原因?と考える方もいることでしょう。

最近、腸内細菌はさまざまな分野で注目されていますし、もちろん大切なことです。自分に合った発酵食品や整腸薬で腸内細菌を良好に保ちましょう。

しかし、それでも不調のすべては解決しません。

なぜなら下痢や便秘という症状は、大腸の動きの悪さ(活性低下)もまた大きな要因だからです。

加齢により大腸の筋肉がおとろえ、内臓を包んで吊り上げている膜もたるんで下垂が起こります。これにより、腸が全体にダランとした状態になってきます。

1_オトナ女子 94.jpgもともと大腸は約1・5メートルほどの長さで、5ヶ所の曲がり角をつくることで体内に収まっています。特に左右の脇腹の肋骨下あたりは、ちょうど吊り橋の端と端のような感じです。

端っこだけしっかり吊られている腸が"ダラン"とすることで、あいだに溜まっている消化物は停滞しやすくなり、曲がり角では空気が溜まりやすくなるのです。

また大腸自体の動きも鈍くなり、便秘になりやすい状況が生まれます。

特に女性はもともと体のサイズが小さい上に、子宮や卵巣もあります。
大腸を折りたたみ、収めるスペースが狭いことになり、男性より曲がり角がきつくなっています。下垂と相まって消化物がますます停滞しがちなのです。

"バナナうんち"にはこだわらない

大腸の中で食物は一方通行に動くのではなく、腸が蠕動(ぜんどう)運動することで、行きつ戻りつしながら、粘土をこねるように便がつくられていきます。

ところがこの動きが加齢により悪くなることで、粘土をうまくこねられなくなります。

言ってみれば、うどん粉やそば粉をこねて麺にしようとしても、まとまらない、といった状態でしょうか。これが下痢につながります。

このように腸の動きが悪くなることで、他の要因と複雑に関係しながら、便秘になる人もいれば、下痢になる人も出てくるわけです。

さて、私のクリニックでも中高年の方で、朝の排便が1回で済まず、3回、4回と何度もトイレに行ってしまうと訴える患者さんが少なくありません。

「若い頃はバナナのようないいウンチが出ていたのに‥‥」と言う方もいらっしゃいます。しかし医師の私にしてみれば、「出るだけいいじゃないですか」と言いたくなるところがあります。

加齢により腸の動きが悪くなるのは、どうしようもありません。

下痢気味であっても出血がなく、痔に気を配れば、若い頃のような「バナナウンチ」には、あまりこだわらないほうがいいでしょう。

それよりも老廃物が体に留まること、つまり便秘のほうが要注意です。腸閉塞の最大の原因は便秘ですし、さまざまな面で体に悪影響を与えます。最低2日に1回はきちんと排便してほしいところです。

イラスト/加藤陽子

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syoei002.jpg40代~70代まで、年代別に表れる症状の解説や、それに対する具体的な対応策を紹介。女性家庭医として著名な著者が、わかりやすく解説してくれる一冊です。

 

常喜眞理(じょうき・まり)

家庭医、医学博士1963年生まれ。常喜医院の院長としての診療とともに、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として、婦人科や乳腺外科の診察結果を総合的に最終診断する立場を担っている。テレビの健康番組にも多数出演。

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『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』

(常喜眞理/株式会社すばる舎)

40代からの女のカラダは健康リスクがてんこ盛りです!女性のための年代別アドバイスで心と体の次のモードに備えましょう。輝く後半生に向けて、めざせ健康オトナ女子!!!

※この記事は『マリ先生の健康教室 オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方』(常喜眞理/すばる舎)からの抜粋です。
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