ドロドロの泥状便はNG!大腸がん予防に「質のいい排便習慣」のススメ

40歳過ぎから発症率が高まる大腸がん。今回はこの大腸がんを遠ざける生活について、大腸がんの第一人者である玉川病院外科部長、東京医科歯科大学特命教授、安野正道先生に教えてもらいました。

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質の高い排便生活で大腸がんを遠ざけよう

大腸がん予防には「質のいい排便習慣」を維持し続けることが大切です。便は食べ物から栄養や水分を吸収した残りかす、老廃物で、いわばごみのようなもの。いつまでも体内に滞留していると、腸内に悪玉菌が増えて、有害物質が発生して臭いおならが出たり、古い便と直接触れ合っている腸の内側の細胞が悪い刺激を受けて炎症を起こします。また、腫瘍や最悪の場合はがんなどが発生することもあります。

食べたものは、まず胃で消化され粥状になります。それが5〜6mもある小腸で吸収され、最後に1.5m程度の大腸でさらに水分を吸収されて便が作られます。通常は食べてから便になるまで最低12時間以上はかかるといわれています。食事の時間が不規則だったりすると、排便のリズムも乱れます。できるだけ規則的な食事習慣を心がけましょう。

便を作るときに必要なものは食物繊維で、野菜、海藻、豆類などに多く含まれています。食物繊維を摂らずに肉類ばかりを食べていると、ドロドロの泥状の便が、大腸の壁にへばりついて悪い刺激を与えます。肉類を食べるときはたっぷりの野菜と海藻も一緒に食べるようにしてください。また、食べる量が少ないと便の量も少ないので、便意を感じにくく、大腸に滞留してしまいます。水分不足でも便が硬くなったり、大腸を滑りにくいので、滞留しがちになります。飲み過ぎや喫煙も要注意です。

適性体重を保つことも重要で、肥満は大腸がんリスクを高めるので予防が大切です。そして、運動不足は腸の働きを低下させます。特別に運動時間を設けられない場合でも、歩いたり、家事を行うなど、なるべく体を動かすようにしてください。運動習慣がある人は同世代で運動しない人に比べて、大腸がんのリスクが低いことも研究で明らかになっています。

■食事
4つのカテゴリーの食品をバランス良く食べ、便秘を防いで腸内環境を良くしましょう。
1 ごはん(お米)、めん類、 いも類など主に炭水化物
2 肉と魚などのたんぱく質
3 野菜などのビタミン
4 牛乳、チーズなど乳製品・卵

■運動
身体活動量を増やし、運動習慣を持つようにしましょう。18歳から64歳の人に推奨しているのは「歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を毎日60分行うこと」。65歳以上の人に推奨しているのは「強度を問わず、身体活動を 毎日40分行うこと」 (厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」)となります。

■適正体重の維持
肥満の予防は大切です。男性はBMI値21.0~26.9でがんのリスクが低く、女性は21.0~24.9で死亡のリスクが低くなっています。(国立がん研究センター・がん情報サービス 「科学的根拠に基づくがん予防」)

■禁煙
たばこを吸う人は吸わな い人に比べて、がんになるリスクが約1.5倍高まります。(国立がん研究センター・がん情報サービス 「科学的根拠に基づくがん予防」)

特集:「大腸がんの常識・非常識」の記事リストはこちら!

取材・文/宇山恵子

 

<教えてくれた人>

安野正道(やすの・まさみち)先生

玉川病院外科部長、東京医科歯科大学特命教授。 正確かつ迅速な診断と、適切な治療がモットー。

この記事は『毎日が発見』2019年7月号に掲載の情報です。

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