すぐに疲れてしまう、おなかにガスがたまる、生理前に太りやすい...病院では原因が特定されづらい「なんとなくの不調」に悩まされていませんか? そこで、年間2000人以上の悩みに応えてきた漢方カウンセラー・大久保愛さんの著書『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)より、「漢方×栄養学×腸活」の考え方をもとにした「食薬」のエッセンスをご紹介。ぜひ、自分の「体の状態」に合わせて食事を選び、体調を整えてみてください。
女性の体質は「7年ごと」に変化する
「女性は7の倍数で変化する」
およそ2000年前に編纂された漢方の古典である『黄帝内経(こうていだいけい)』には、女性の年齢の重ね方について、このように記されています。
28歳で女性ホルモンの分泌のピークを迎え、35歳に卵巣機能が低下し始め、42歳に心身ともに不調を抱えやすくなり、49歳で閉経と考えられてきました。
西洋医学でも、女性ホルモンの分泌が変化するのが、だいたい7の倍数の年齢に当たるということになります。
女性の一生の中で、女性ホルモンの分泌量がピークを迎えるのは28歳。
ですから、28歳くらいまでは、少々無理をしても肌荒れはしないし、増えた体重も元に戻るし、つらいことがあっても気合いで乗り越えられたと思います。
しかし、28歳を過ぎたら、そうはいきません。
体の異変や心の不調、たるんだ体形などは、見て見ぬふりをしてはいけないのです。
何もしなければ、体は老化していきます。
7の倍数で変わる女性の体質
だからこそ、女性の人生の大きな節目である28歳を過ぎたら、年齢の単位である「歳」を「レベル」に変換してはいかがでしょうか?
久しぶりに会った友達に対して「老けた」と感じることもあれば、「昔と全然変わらない」と感じることってありますよね。
あなたは、どちらの道を歩んでいますか?
歳をとるごとに退化するのではなく、どんどん魅力的でエネルギッシュな女性にレベルアップしていく道を選択したいですよね。
そのためには、「なんとなく不調」をこまめに解消することが必要不可欠。
本来、年齢とともにさまざまな経験を積み、人としてレベルアップしているはずです。
心と体に余裕を持つことが、魅力的な女性への後押しに必ずつながります。
28歳以降のエイジングケアが超重要!
五臓の中でも、年齢とともに大きく変化するのが、ホルモン分泌や老化に関係する「腎(じん)」です。
関連記事:どのような生活習慣から影響を受けやすいかは臓器によって異なる!漢方の「五行説」に基づく人間の「5つの体質」とは
更年期に当たる40~50代は、「腎」の働きの低下を顕著に感じます。
これを「腎精不足(じんせいふそく)」と呼びます。
「腎精不足」によって、白髪や抜け毛、性機能の低下、頻尿、物忘れ、関節痛、耳鳴りなどの症状が現れやすくなります。
また、更年期になると、加齢によって卵巣機能が低下するので、女性ホルモンの1つであるエストロゲンの分泌が減少します。
そのため、脳はさらに多くの指令を卵巣に出すようになるのです。
これによって、そのほかのホルモンバランスが乱れて、イライラやのぼせ、ほてり(ホットフラッシュ)のような不快な症状が現れます。
年齢を重ねれば「腎」の働きは低下していきますが、それに日頃の悪い生活習慣が重なれば、更年期の症状を強く感じる原因となります。
例えば、寝る時間が不規則だったり、インスタント食品を頻繁に食べたり、運動する習慣がなかったり......。
若い頃は体に何も起こらなくとも、代謝やホルモンの分泌量が落ちてきている40代以降の体には、大きなダメージを受けます。
また、ちょうどこの年代は、環境の変化が起こりやすい時期に当たります。
子どもの受験・就職・結婚、親の介護、仕事で管理職に昇進するなど、生活での大きな変化が引き金となって、体調をくずすことも珍しくありません。
そんな更年期を快適に過ごせるかどうかは、28歳以降の生活に左右されます。
未来の自分のために、今すぐにエイジングケアを始めることが大事です。
チェックしておきたいのは、女性ホルモンの変動によって起こる変化です。
生理前や生理中など、タイミングごとに心と体に起こる不調って違いますよね。
体の状態は常に一定というわけではないので、先月と今月とで不調の現れ方が異なっていてもおかしくありません。
生理は1カ月の〝成績表〟だと考えましょう。
良くないときには、生活の見直しが必要になります。
そのときの状況に合った対処をしていきましょう。
『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』記事リストはこちら!
とにかくわかりやすい!「漢方×栄養学×腸活」をかけ合わせて、日々の食事を中心に、心と体を整えて不調を解消する55のメソッドが収録されています