すぐに疲れてしまう、おなかにガスがたまる、生理前に太りやすい...病院では原因が特定されづらい「なんとなくの不調」に悩まされていませんか? そこで、年間2000人以上の悩みに応えてきた漢方カウンセラー・大久保愛さんの著書『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)より、「漢方×栄養学×腸活」の考え方をもとにした「食薬」のエッセンスをご紹介。ぜひ、自分の「体の状態」に合わせて食事を選び、体調を整えてみてください。
なんとなく不調=「未病」の原因
ダルさが抜けなかったり、感情がコントロールできなかったり、やる気が急になくなったり......ということは、みなさん感じたことがあると思います。
でも、その状態がずっと続くと、「私って、大丈夫なのかな?」と心配になりますよね。
ただ、病院に行っても、検査で異常が見つからなければ、特に対策をとれないと思います。
西洋医学では、病名がつかないと治療ができないことがほとんどです。
漢方では、このような状態を「未病」と呼びます。
漢方は経験則をもとに、主観的な情報や、見てわかる感覚的な情報も診断材料とするため、「未病」の治療を得意としています。
そのため、病気になる前の不調でも、分析して対策を立てることができるのです。
そんな「未病」を招く原因を大きく分けると、次の3つが考えられます。
①胃腸の状態が良くない
食べ物をうまく消化吸収することができなければ、「気(き)・血(けつ)・水(すい)」をつくることができないので、健康のスタート地点にも立つことができません。
【気・血・水とは?】
【気・血・水の主な働き】
【気】
・免疫系を整える
・エネルギー(ATP)をつくる
【血】
・神経系(自律神経)を整える
・栄養・酸素の補給
【水】
・内分泌系(ホルモン)を整える
・電解質の調整
⇒体と心が元気に若々しくなる
【痰湿】
・炎症を起こす(糖化、活性酸素)etc.
・不要なもの(鼻水、むくみ、痰膿み、脂肪)etc.
⇒体と心が不調になり老化が促進
②体に必要な「気・血・水」が不足している
栄養の吸収や食事の内容に問題があると、「気・血・水」が不足します。
体を構築するものが足りないので、血液、ホルモン、神経伝達物質、筋肉、皮膚などに支障が出てきます。
また、各臓器の動きも悪くなります。
③「気・血・水」の巡りが悪い
「気・血・水」が何らかの原因で体の隅々まで巡ることができないと、滞った場所に痛みや張りを感じたり、栄養やホルモンや酸素が適切に働かなかったり、老廃物などがきちんと排泄されなかったりすることで不調を感じます。
また、偏食も体への負担となります。
偏食は、消化に悪影響を与え、本来吸収すべきではない未消化物や有害物質を体内に吸収することで、「気・血・水」の巡りを邪魔する「痰湿(たんしつ)・湿熱(しつねつ)」をつくり出します。
※漢方では、体の中で生命維持に必要なものを「気・血・水」と呼び、それ以外の不要なものを「痰湿・湿熱」と呼んでいます。
※気の巡りが悪いと「気滞(きたい)」、血の巡りが悪いと「瘀血(おけつ)」、水の巡りが悪いと「痰湿・湿熱」となります。
つまり、未病を招く「なんとなく不調」を取り除くには「気・血・水」を整える必要があります。
特に、生理がある女性の場合は、血が不足しやすかったり、ホルモンの関係で生理前に気が滞ったり、「痰湿」がたまったりすることで、イライラやむくみなどを感じやすくなっています。
女性はこうした変化を毎月繰り返すので、未病の原因が頻繁に生まれます。
不調は、その都度ケアしていかないと、毎月不調が蓄積され、年齢とともに悪化していきます。
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とにかくわかりやすい!「漢方×栄養学×腸活」をかけ合わせて、日々の食事を中心に、心と体を整えて不調を解消する55のメソッドが収録されています