<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ゆらら
性別:女
年齢:51
プロフィール:75歳の母と同居しています。朝から晩まで忙しく動いて休むことを知らない母。私は真逆なのんびり屋です。
私が幼い頃から、母はとてもせっかちで一日中動きっぱなし。
働いている姿と、休みの日に家中を掃除している姿しか記憶にないほどです。
どちらかというとのんびりでマイペースと言われる私は、そんな母が私の周りでバタバタと動き回る中で、ゴロンと寝転びテレビを見たり漫画を読んだりして育って来た気がします。
結婚して自分の家庭を持ってからも、私は変わることはありませんでした。
ただ母がやってくれていた掃除や洗濯などを自分ですることになり、母のお蔭で自分が何もしてこなかったのだと気付かされました。
でもやはり性格は違うので、家の中のことをしながらも私はマイペース。
どれも適当だしのんびりとした自分の時間も作りながら、気楽に生活してきた気がします。
そんな状態で30年近く過ごして来た後、父が亡くなり1人になった母との同居を始めました。
30年も自分なりのやり方で生活してくると、流石に母との暮らしは遠慮があったり我慢があったり難しいなと感じます。
特にこの「せっかちで動きっぱなし」な母と「のんびりでマイペース」な私のギャップはかなりのストレスになっています。
母が働いている間は、私も家で自分の時間を過ごせるので良い具合に息抜きができていて、そのおかげで乗り切ってきたように思えます。
それが新型コロナウイルスの影響で、母が休みの日が多くなると状況が変わりました。
もともと仕事が休みの日の母は、朝から友達と喫茶店に行きそのままランチも済ませ家に帰って来ます。
そして午後から部屋の掃除をしたり庭の草取りをしたり、草取りの最中にご近所さんとお喋りをしたり。
買い物に出掛けたついでにまたお茶に出掛けたりして、帰って来ると夕食の支度をしていました。
しかし、外出が自粛になったことで、そのほとんどができなくなったのです。
朝食をとり洗濯を済ませるまでは普段と変わりません。
でもその後に出掛けることができない母は、庭に出て草取りをしたり掃除をしたり。
いつもより念入りに普段できない場所を掃除すると言って、押し入れの中のものを全部出して片付け始めたり。
ある程度は、自粛期間中のどこの家庭でもあったことだとは思います。
私も良い機会なので、断捨離のつもりで片付けをしていました。
でもやはり私は在宅の仕事をしながら、ときどき休憩をして残りの時間にぼちぼち整頓しようという程度。
一方母は、食事の時間以外はガッツリと家の中の片付けをしたりするのです。
さらに「あれはどうする?」「これはもう要らないの?」と細かく声を掛けてくるようになり、結局私は自分のすることに集中できずイライラしてしまいます。
「ねぇ、たまにはゆっくり座ったら?」
我慢できず声を掛けると「そうだね」と言っていったんは手を止めてくれます。
そしてソファに腰を下ろすと僅かな時間まるで電池が切れたかのように動かず、しばらくすると手の届く場所が気になり始め、テーブルの上を片付けたりテレビ台を拭いたり。
せっかく落ち着いたと思ってもゴソゴソと動き始め、結局立ち上がりカーテンを洗おうかとか、テーブルクロスを変えようかとか、また動き始めるのです。
「お母さんはとにかく動いていないと気がすまないんだね」
あまりにも気になったので、ちょっと嫌味かなと思いながらもと言いました。
「何かしていないと落ち着かない。勝手にやってるから気にしなくて良い」
そう言われては返す言葉がありません。
こうなると、本当に私と母とは根本的に性格が違うと思うしかありません。
でも、あれこれと動き回る姿がどうしても目に付き、私自身も落ち着かないのです。
緊急事態宣言が解除されたとはいえ、以前と同じ生活が戻ってきたわけではありません。
コロナの第二波が来て、またせわしなく動く母と一緒に過ごす日が来るのかと思うと、気が重いです。
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