生理痛がひどくて動けない、婦人科疾患が治らない...こうした悩みや不安は、なかなか人には聞けないものだと思います。そこで、こうした多くの相談に答え、5万人の膣を診てきた婦人科医・駒形依子さんの著書『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(KADOKAWA)より、人には聞けない不調を解決するカギとなる「こまがた式セルフケア」についてご紹介します。
【セルフケア】骨盤ストレッチ
骨盤ストレッチとは、骨盤を動かして血流をよくするストレッチのこと。
膣トレとセットでおこなうことで、より効果がアップします。
まず、骨盤ストレッチをすると、足首から肩まで全身の筋肉がほぐれてゆるみやすくなります。
そのため、動かすのは骨盤ですが全身運動になっているので、全身に血が巡って酸素や栄養が運ばれます。
さらに、骨盤を動かすと胃腸も温まるので、胃腸の働きがよくなり免疫機能もアップ。
腸の免疫機能が上がると膣の状態も整うので、子宮の状態もよくなります。
結果、子宮の収縮もスムーズになることで、過多月経や生理痛も改善していきます。
血の巡りがよくなるので、貧血はもちろん、下半身に血液が流れるようになることで更年期特有ののぼせや冷えも改善します。
気・血・水は三位一体という東洋医学の観点でいうと、「血」が一気に動かされるということは「気」も「水」も一気に動かされるため、おなかにため込んでいた感情も一気に動くということです。
そのため、感情の波が激しくなる人もいます。
また、骨盤があるべき位置に戻るので、骨盤のゆがみも改善します。
女性は生理前に骨盤が開くことで腰痛になりやすいのですが、スムーズに骨盤が開くようになるので、腰痛軽減にも効果があります。
骨盤ストレッチで血流がよくなると、濡れやすくなり、膣がふっくらするのでセックスの感度が上がります。
さらには、くびれもできるので、男性にとっては視覚的な興奮も高まるかも。
裸で長時間いても、足が冷えにくくなりますよ(笑)。
おりものトラブルも減るので匂いが気にならなくなり、お尻のニキビも減ります。
骨盤ストレッチは座っておこなう方法と、寝ながらおこなう方法がありますので、タイミングなどに応じてやりやすいほうでお試しください。
骨盤ストレッチのやり方
《座っておこなう骨盤ストレッチ1》
① 背すじを伸ばして、ひざを直角にまげてイスに座る。足の裏全体を床につけて両足をそろえ、両足の内くるぶしとひざの内側をくっつける
② かかとを床につけたまま、肩を動かさないように注意して、ひざを前後にすり合わせるように動かす
《座っておこなう骨盤ストレッチ2》
① 背すじを伸ばして、ひざを直角にまげてイスに座る。足の裏全体を床につけて両足をそろえ、両足の内くるぶしとひざの内側をくっつける
② かかとを床につけたまま、骨盤の左側と右側を交互に上に持ち上げるように動かす。このとき、骨盤だけを動かし、背中が左右に揺れないように注意する
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③ 慣れてきたら「左肩を下げながら左骨盤を上げる」「右肩を下げながら右骨盤を上げる」という動作を交互に繰り返す
《寝ておこなう骨盤ストレッチ》
あお向けになり、肩を動かさないように気をつけながら、「右骨盤を頭のほうへ動かす」「左骨盤を頭のほうへ動かす」というふうに、足を交互に動かす
左右でやりやすさに差がある場合は、やりにくいほうの骨盤がゆがんでいる可能性も。
その場合は腰痛に注意しながら、やりにくいほうの回数を増やしましょう。
「座っておこなう骨盤ストレッチ2」は、骨盤だけを持ち上げるのがポイント。
体で骨盤を持ち上げようとすると、効果が半減するので注意してください。
「寝ておこなう骨盤ストレッチ」は、お休み前におこなうのがおすすめです。
就寝前に骨盤ストレッチをすることで、骨盤周りの筋肉がゆるみ、寝ている間に骨盤矯正がスムーズにおこなわれます。
ただ、どちらもやりすぎると筋肉痛になるので、気をつけてくださいね。
【まとめ読み】人には聞けない悩みがある人に。『膣の女子力』記事リスト
生理や婦人科疾患などの悩みを解決するカギや、セルフケアの方法について、5章に渡ってわかりやすく解説