筋腫の重さが5kgになることも! 女性婦人科医が教える「子宮筋腫」の種類と治療法

生理痛がひどくて動けない、婦人科疾患が治らない...こうした悩みや不安は、なかなか人には聞けないものだと思います。そこで、こうした多くの相談に答え、5万人の膣を診てきた婦人科医・駒形依子さんの著書『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(KADOKAWA)より、人には聞けない不調を解決するカギとなる「こまがた式セルフケア」についてご紹介します。

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子宮筋腫を悪化・再発させないコツとは?

主な婦人科疾患を中心に、話をしていきたいと思います。

まずは、子宮筋腫から。

子宮筋腫は「子宮にできたこぶ」のことです。

筋腫がどんどん大きくなる人、小さいけど数が増える人、何年も大きさが変わらない人など、個人差があります。

妊娠したことがない子宮にできた筋腫は、スーパーボール並みに固いのですが、筋腫がある状態で妊娠すると、妊娠して子宮が引き伸ばされることで筋腫も変性します。

そのため、妊娠後の筋腫はまるで牛脂のようにぶよぶよしています。

子宮筋腫はどこにあるかによって、症状や手術適応の基準が変わります。

①子宮の筋肉内にできる→筋層内筋腫
②子宮の外側にできる→漿膜下(しょうまくか)筋腫
③子宮の内側にできる→粘膜下筋腫

たとえば、②の漿膜下筋腫はスペースがある子宮の外側にできるので、10cm、20cmと大きくなることがあります。

実際、筋腫の重さが5kgくらいになる人もいて、筋腫の外側に子宮がヒトデのようにくっついているように見えることも。

一方、子宮の内側にできる③の粘膜下筋腫の場合は、たとえ5mmとか1cmであっても、見つかった時点ですぐ筋腫を摘出する手術を受けることをおすすめします。

生理で内膜がはがれる場所に筋腫ができることで、その筋腫の刺激で不正出血したり、子宮収縮がうまくいかずに過多月経になったりします。

粘膜下筋腫の場合は、着床の邪魔になるので不妊の原因にもなりますし、たまに筋腫分娩といって、子宮が筋腫を外に排出させようと収縮し、分娩のような痛みをともないながら筋腫を分娩することも。

でも、子宮の入り口にひっかかってうまく排出できないため、大量に出血しながら外来にくることも多いのです。

起こりやすいのは、更年期などで子宮に届く血液が減ってきたとき。

筋腫に栄養を与えていた血液が少なくなることで、筋腫周辺の組織が萎縮して筋腫がはがれて、そのはがれた組織の傷から大量に出血することがあるのです。

はがれた筋腫は異物でしかないので、体がいらないものとして認識して外に排出しようとします。

子宮筋腫の種類

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そして最もやっかいなのは、①の筋層内筋腫。

なぜなら、筋肉内に筋腫があるので、粘膜下筋腫ほど過多月経や不正出血が起こりにくいため、はっきりとした自覚症状が少なく、検診などのエコーで発見されることがほとんどです。

悪さをしなければいいのかもしれませんが、放っておいた結果、子宮の内側に向けて大きく育った場合、内膜を圧迫して不妊の原因になることもあります。

妊娠を希望する人は、筋層内筋腫が見つかったなら、できるだけ早く妊娠してほしいと思います。

基本的に、筋腫は良性の腫瘍なので、日常生活に支障が出るような自覚症状がない限りは、手術をすすめることは少ないです。

そのため、子宮筋腫の治療では一般的に、「ピルの内服」か「閉経療法」をすすめられることが多いでしょう。

どちらも希望しない場合は、3カ月から6カ月ごとにエコーで大きさをチェックする経過観察が一般的です。

そもそも、血液中のエストロゲンが筋腫を大きくさせる原因と言われているため、ピルを内服して低エストロゲン状態にしたり、閉経療法でエストロゲンの分泌を抑制したりすることで、筋腫を大きくさせないようにするのが治療の目的です。

でも、エストロゲンとは、膣の状態を整えたり、膣の内側のひだを厚くしたり、膣の分泌液を増やしたり、髪の毛や肌などに栄養を与える大切なホルモン。

そのため、どちらの治療も、子宮筋腫を大きくさせないためにはプラスですが、膣の潤いが減ってスカスカになったり、肌ツヤが悪くなったり、髪の毛の量が少なくなったりしてしまうので、女子にとってはマイナスです。

治療のためにエストロゲンを減少させたり、なくしたりすることも必要ですが、それだけではなく、ピルや閉経療法をやめたときにも筋腫が大きくならないように、体の立て直しや治療中の膣のケアが大切です。

子宮筋腫があるのなら、気・血・水それぞれの流れをよくして、体内にため込んだ不要なものを排泄する力を養うこと。

ため込んだいらないものが、目に見える老廃物だけとは限りません。

感情や思考など、子宮筋腫に特有の「気」における老廃物も日々排出し減らしていくことが、子宮筋腫を悪化させないことにつながるのです。

【まとめ読み】人には聞けない悩みがある人に。『膣の女子力』記事リスト

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生理や婦人科疾患などの悩みを解決するカギや、セルフケアの方法について、5章に渡ってわかりやすく解説

 

駒形依子(こまがた・よりこ)
東京女子医科大学医学部卒業。2018年、山形県米沢市に婦人科・漢方内科のこまがた医院を開業。高校生の頃から生理痛や過多月経に悩まされる。婦人科での研修医時代、患者よりも自分の生理のほうがひどい状態という矛盾を痛感し、生理痛や過多月経をなくす方法を追求し始める。その後、東洋医学を基礎から学び、自分の体を使って実験をくり返し、最小限の努力で最大限の効果を発揮するセルフケアを考案。自称「子宮が大好きすぎる産婦人科医」。ブログや講演活動を通じて、患者が自分で自身を治すための「グレない子宮の作り方」を提案している。

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『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』

(駒形依子/KADOKAWA)

生理のトラブルや、婦人科疾患、不妊、セックスの悩みといった多くの相談に答え、5万人の膣を診てきた婦人科医が、人には聞けない不調を解決する自身考案の「こまがた式セルフケア」について紹介しています。なかなか人には聞けない悩みや不安をスッキリ解消するヒントになる、話題の一冊です。

※この記事は『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(駒形依子/KADOKAWA)からの抜粋です。

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