こんな状態だったら要注意! 女性専門医が考える「正常な生理・異常な生理」

生理痛がひどくて動けない、婦人科疾患が治らない...こうした悩みや不安は、なかなか人には聞けないものだと思います。そこで、こうした多くの相談に答え、5万人の膣を診てきた婦人科医・駒形依子さんの著書『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(KADOKAWA)より、人には聞けない不調を解決するカギとなる「こまがた式セルフケア」についてご紹介します。

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生理の「正解」を知ってますか?

あなたは「生理の正解とは何か」と聞かれて、すぐ答えられますか?

そもそも、世の中の生理の認識や基準がどこからきているのかと言えば、家族、母親、姉妹、友達、保健体育の授業、雑誌、都市伝説......。

正直、本当の生理の正解なんて、医者も含めてあまり知られていません。

さらに男性の医者であれば、自分が毎月出血しているわけではないから、教科書に書いてある出血量の「正常の数値」を知っていたとしても、体感的にどれくらいが「普通」だと女性たちが思っているかなんて、おそらくわからないでしょう。

医者だからと言って、彼女や奥さん、娘の経血をまじまじと見たことなんてないだろうし、「見せて」と言っても見せてもらえない人のほうが多いはず(笑)。

じゃあ、女性だから、女医だから知っているのかと言われれば、そういうわけでもないですよね。

どれだけ仲いい友達同士や親子、姉妹だとしても、「今日あたし、こんだけ出たんだよね」って見せ合う人なんていないのではないでしょうか?

だから、自分の出血量が正常なのか、みんながどれだけ出血しているのが普通なのか、なんて知らないのが現実なんです。

教科書によると、月に1回の正常な月経血の合計量は、20~140gで、期間は3~7日となっています。

体感的にイメージしやすいように話すと、正常な生理の出血量は、吸収性ポリマーが入っていない昼用の紙ナプキンが3枚あれば余裕で足りるぐらいの量。

250mlの缶コーヒー1本にも満たない量が、ひと月分の正常な出血量というわけです。

意外と少ないですよね。

生理周期は25~38日周期が正常。

これは排卵が早まれば周期は短くなるし、排卵が遅くなれば周期も長くなります。

つまり、生理の周期は、排卵の有無や排卵の周期によって変わるということ。

自分の経血量や生理周期を観察することで、まずは自分の子宮の状態を知ることが大事です。

今、自分の子宮や膣はどんな状態になっているのか、それを知ったうえで、どう整えていけばいいのか対策を練る。

月に1回の生理は、自分の体のバロメーターなのです。

自分のことを知り、きちんと傾向と対策を練ること。

それが、女子力を高める最大の秘訣です。

こんな生理の人は要注意

生理って人と比べられないので、自分の生理が正常か異常かよくわからないまま放っている人は多いと思うのですが、次のような状態を認める場合は異常です。

①昼でも夜用ナプキンが必要

②夜はオムツタイプのナプキンにしないと漏れることがある

③生理2日目は、1~2時間ごとに夜用ナプキン(または、多い日用昼用ナプキン)を替えないと不安

④生理のときは、直径5cm以上の経血のかたまりが出る

⑤生理開始から終わりまで、ずっとおりものシートで足りる

⑥生理期間は1日で終わる

⑦生理期間は2週間ある。もしくは、少量出血が次の生理まで続く

特に①~④に当てはまる人は、子宮筋腫や子宮内膜症の疾患がないか、一度確認が必要です。

診察で、婦人科疾患はないと言われていても、①~④の状態がある人は少なくないでしょう。

その場合は、明らかな病気はないものの、子宮の状態や体の状態として見るなら、けっしていい状態とはいえません。

生理マニアなあたしからすると、そもそも子宮や生理に問題がなければ、夜用ナプキンが必要になることはないはず。

一方、⑤~⑥の人は経血量が少なすぎます。

そのため、生理だと思っている出血は生理ではなく、不正出血の可能性があります。

⑦も含めた不正出血に関しては、後ほど詳しく説明しますが、一番多いのはホルモンバランスの乱れによるものです。

ただし、明らかな生理らしき出血がなく、少量の不正出血が続いている場合は、子宮頸がんや子宮体がんの疑いもあるので、⑤~⑦の場合も、まずは病院でがんではないことを確認してください。

ちなみに、性交渉がない人は子宮頸がん検診を受ける必要はありません。

子宮頸がんの原因になるヒトパピローマウイルス(HPV)は性交渉で感染するので、性交渉がない人は受けなくて大丈夫です。

自分の生理が異常となると不安になるかもしれませんが、誰かとまったく同じ生理なんて存在するわけがありません。

比べる対象は、人の生理ではなく、あくまで毎月の自分の生理です。

「前の月と比べてどうか?」

「以前の生理と比べてどうか?」

毎月の生理事情を知っているのは、自分しかいないのです。

自分が自分の生理を知らなければ、病院で医者に説明することもできません。

出血量や痛みの程度、種類、場所は、本人にしかわかりません。

それらすべてがみんなと一緒、みんなにあって当たり前、だから言わなくても医者ならわかりますよね、ということにはなりません。

他院で検査したデータは本人が持参するか、紹介状を持っていくことでしか共有することはできないのです。

紹介状を持たない場合、自分がその検査結果を説明できなければ、症状に対しての原因を突き止めるのが難しくなってしまいます。

生理は1カ月間、自分がどんなふうに過ごしたかの結果です。

食べ物や冷え、睡眠、休息、どんな感情で過ごしたかによって出血量は変わるし、痛みの程度も変わります。

体はいつだって、ちゃんとサインをくれています。

だから、まずは自分の生理を確認してみましょう。

毎月、生理の量や痛みと向き合うことは、生活を見直すうえですごく大事です。

「忙しい」は理由になりません。

結局、向き合う気があるかどうか。

すべては自分次第です。

女子にしかない"自分と向き合えるツール"である生理を使わないのは、自分の体から目を背けているのと同じだと思います。

今の自分の生理、子宮、卵巣、膣から目を背けるのは、未来の自分からも目を背けているのと一緒です。

今の積み重ねが未来をつくります。

目を背けるのは、今日で終わりにしましょう。

【まとめ読み】人には聞けない悩みがある人に。『膣の女子力』記事リスト

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生理や婦人科疾患などの悩みを解決するカギや、セルフケアの方法について、5章に渡ってわかりやすく解説

 

駒形依子(こまがた・よりこ)
東京女子医科大学医学部卒業。2018年、山形県米沢市に婦人科・漢方内科のこまがた医院を開業。高校生の頃から生理痛や過多月経に悩まされる。婦人科での研修医時代、患者よりも自分の生理のほうがひどい状態という矛盾を痛感し、生理痛や過多月経をなくす方法を追求し始める。その後、東洋医学を基礎から学び、自分の体を使って実験をくり返し、最小限の努力で最大限の効果を発揮するセルフケアを考案。自称「子宮が大好きすぎる産婦人科医」。ブログや講演活動を通じて、患者が自分で自身を治すための「グレない子宮の作り方」を提案している。

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『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』

(駒形依子/KADOKAWA)

生理のトラブルや、婦人科疾患、不妊、セックスの悩みといった多くの相談に答え、5万人の膣を診てきた婦人科医が、人には聞けない不調を解決する自身考案の「こまがた式セルフケア」について紹介しています。なかなか人には聞けない悩みや不安をスッキリ解消するヒントになる、話題の一冊です。

※この記事は『膣の女子力 女医が教える「人には聞けない不調」の治し方』(駒形依子/KADOKAWA)からの抜粋です。

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