とはいえここ最近は、生理について男性も積極的に知ろうとする機運が高まっています。大先輩である博多華丸・大吉の大吉さんは、産婦人科医の高尾美穂先生との対談本『ぼくたちが知っておきたい生理のこと』(辰巳出版)で、ご自身の知識不足をあけすけにお話しされつつ、生理のメカニズムから、生理痛、更年期や閉経、そして社会的な課題まで様々なレクチャーを受けていました。また、以前僕が出演した「ちょっと先のおもしろい未来―CHANGE TOMORROW―2023」というイベントでは、おなかに装着した電極パッドに電流を流すことで男性でも生理痛を疑似体験できるコーナーが設けられ、Everybodyという男女コンビのタクトOK!!さんが体験していましたが、痛みで顔をゆがめる様子を見ているだけでおなかが痛くなりました。こうして生理にまつわる女性と男性のズレを埋めるためのイノベーションが始まっているのはとても良いことです! 僕もYouTubeチャンネルで生理痛の仕組みと対処法について解説していますので、チェックしてみてください。
生理と併せて知っておきたいこと
生理と併せて語られるべきは、PMS(月経前症候群)のこと。生理の前、3〜10日ほど身体的・精神的な不調が続く時期を指します。高尾先生と大吉さんの対談本によると、1カ月のうちで調子がいい日は10日ぐらいという女性もいるようです。
女性からは「生理痛は我慢するもの」「生理で学校や会社を休むのは甘え」「生理ならまだしも、PMSに対しては職場の理解がないから休めない」という声もよく聞きます。つくづく昭和的な根性論って、男性だけのものじゃないと感じるエピソードですよね。医師の僕から言えることは、日常生活に支障が出てパフォーマンスが落ちるようなら、休んでもいいですし、鎮痛剤や低用量ピルの服用、レディースクリニックの力に頼りましょう!
そして男性は、女性の心と身体のサイクルを知って、相手を気遣うことが大事です。対談本の中で、高尾先生は「女性の体調が悪そうだったら『生理かPMSなのかな』、結婚して何年かのあいだなら『もしかして妊活しているのかもしれない』、40代半ばぐらいであれば『更年期の症状がつらいのだろうか』と想像力をはたらかせてほしい」とお話しされていました。そばにいる女性に対し「もしかして」と思ったら部屋をクーラーで冷やしすぎない、そばでタバコを吸わないなど、些細なことでもいいんです。僕も妻の調子が悪いときは、率先して動くようにしていますし(妻からすれば全然足りないと思いますが)、イライラしているときは余計なことは言わないようにしつつ、「どうした? 何かあった?」と優しく声をかけるよう心がけています。
笑いの処方せん
実は痛みに弱い男性諸君!生理について知れば知るほど女性に対する見方が変わるはず!