「1日1万歩」より「早歩き15分」がいいの? 医学博士に聞いた「15分早歩き」Q&A

いつものウォーキングを少し工夫することで、とっても効果的になるってご存じですか? それは、「早歩き15分+ゆっくり歩き15分」を週4回行う「15分早歩き」。個人の最大体力の「70%相当の負荷」で行う「早歩き」を15分組み込むだけで、体の不調を防ぐだけでなく、若返り効果も期待できるのだそう。今回は、信州大学 特任教授の能勢 博(のせ・ひろし)先生に、「15分早歩き」についての9つの疑問をお聞きしました。

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ゆっくり歩きの時間が早歩きより長くなっても良いですか?

1日の早歩きの時間が合計15分以上になれば効果があるので、あいだに挟むゆっくり歩きが長くなってもかまいません。また、早歩きの時間を計るのが難しい場合は、"だいたい3分間"で大丈夫です。自分のペースで歩いてください

ひざが痛むときは動きたくありません。休んでいいですか?

早歩きは、関節痛の改善に効果があるので、無理のない範囲で、できれば行った方が良いでしょう。運動しないと、筋肉の萎縮が進みさらに症状が悪化します。ストックを持って歩くと自然と大股になり、体が前に出てラクに歩けます

週に4日も時間が取れません

平日は忙しくて時間が取れないという人は、週末にまとめて歩いても問題ありません。例えば、土曜日に早歩きを30分、日曜日に早歩きを30分といった具合です。1週間の早歩きの合計時間が60分以上になればちゃんと効果は出ます

1日1万歩歩くようにしています。長く歩いた方がいいですよね?

残念ながら、ラクなテンポでたくさん歩くだけでは、体力向上は期待できないことが分かっています。自分のペースでいいので、早歩きとゆっくり歩きを繰り返しながらのウォーキングに挑戦してみてください。自然と体力がアップします

歩くときにもマスクはした方が良いでしょうか?

ややきつい早歩きをするときにマスクを着用していると息苦しくなります。人との距離を保てるところでは、マスクを外して歩きましょう。万が一、知り合いに会ったときのために、マスクはポケットにしまっておくといいでしょう

「早歩き中、体調を崩すなどの事故はありませんか?」

途中でゆっくり歩きが入り余裕ができるので、体調を考えながら歩けることが、事故防止に役立っているようです。ただし、何らかの基礎疾患のある方は始める前にかかりつけ医に相談してください

「歩く時間帯のおすすめはありますか?」

自分が続けやすい時間帯に歩けばOKですが、一般的に、運動トレーニングをする時間帯は夕方が良いとされています。理由は、朝から体を十分に動かして、筋肉が最もほぐれている時間だから。肉離れなどのケガが起こりにくいのです

「買い物など途中で寄り道してもいいですか?」

途中で寄り道しても、問題ありません。買い物に行くときに10分、帰りに5分のように分けて歩いてもいいでしょう。合計で早歩きの時間が15分以上になるようにすれば十分、効果はあります

「歩くときの服装はどんなものがいいでしょう?」

ウェアは動きやすくて汗を吸ってくれるものが快適です。靴はできればウォーキングシューズを。"靴底が曲がりやすい" "かかとにクッション性がある" "通気性に優れている"を参考にしてください

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取材・文/笑(寳田真由美) 撮影/西山輝彦 イラスト/ノダマキコ モデル/永谷佳奈

 

<教えてくれた人>
信州大学 特任教授
能勢 博(のせ・ひろし)先生
医学博士。科学的根拠に基づいた研究成果を紹介しながら、通常のウォーキングでは得られない健康効果の高い「インターバル速歩」を提唱。『世界一効く健康ウォーキング』(池田書店)など著書多数。

この記事は『毎日が発見』2020年10月号に掲載の情報です。

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