<この体験記を書いた人>
ペンネーム:おこめ
性別:女
年齢:45
プロフィール:夫・子供2人の4人家族の派遣社員。
10年前、35歳の時の話です。
私はコンビニエンスストアで働いていました。
まだ子供が小学校低学年だったので、平日の週3回のパートタイムの仕事はとても助かりました。
私はベテランのおばさん先輩(当時50代半ば)と2人で勤務することが多く、仕事の内容は彼女から教えてもらいました。
先輩は教え方が上手で仕事はできるんですが、意地悪になる時があります。
しかし、新人だった私は我慢していました。
先輩は週5で土日も勤務OKというシフト制、お子さんも成人なさっていましたから、自由がきいたのだと思います。
パートを始めて1カ月くらい経った頃でしょうか? 先輩は私のシフトに口出しをするようになってきたのです。
「あなた、土日は出れないの?」
「はい。土日も主人が仕事なので」
何回もこんな会話が出るようになり、どうやら意地でも私を土日に出勤させたいようなのです。
「たまには休みがあるでしょう? その日に出勤できないの?」
「そういう日もあるんですけど、その日は家族団らんにしたいんですよね」
この会話をした日は決まってずっと不機嫌で面倒くさいのですが、私は週3回の約束でシフトに入っているので、先輩の言葉は流して聞いていました。
そして3カ月くらいたった頃、朝から不機嫌な先輩。
嫌な感じだなと思っていると案の定、仕事中の私に絡んできます。
「あなた土日は出られないの? 私が休めないじゃない!」
どうやら行きたいライブがあるそうで、休みたいのに変わりがいなかったみたいでした。
「すみません...」
「あなたの旦那さん、何の仕事してるのよ! 土日休みとってもらいなさいよ」
「運送業です」
「運送業? うちの息子も運送業だけど、土日休みよ!」
先輩はますますヒートアップしていき、さらには「どこの会社よ!」と会社名まで聞いてきます。
私もだんだん腹が立ってきましたが、興奮している先輩を相手にしても意味ないので、落ち着きながら「〇〇株式会社です」と言いました。
先輩は眉をひそめ「嘘つくなよ!」と言いそうな顔で私を睨みながら「うちの息子と同じ会社じゃない!」といったのですが、その後、ハッと気づいた様子。
睨んでいた目が泳ぎ始めています。
「あれ...あなたの旦那さんなら、うちの息子より年上?」
心の声が言葉に出たかと思うと、今度は口がぽかーんと開いて、「あ!!!!!」と。
顔全体に『やばい!』と出ていました。
「旦那さんいくつ⁉」
「37歳です」
「そうよね、○○さん(私)の旦那さんなら息子より年上よね。でも...なんでうちの息子は土日休みなのかしら?」
気まずい顔をしていた先輩は、だんだん泣き出しそうな顔になりました。
先輩も驚いてるけど、私もめちゃくちゃ驚いていました。
その日は終了の14時までとっても優しく接してもらい、先輩もでしょうけど、こちらもなんだか気まずかったです。
家に帰った後、先輩の息子が気になるので旦那に聞いてみました。
「会社に〇〇さんて20代の人いる?」
「俺の班で直属の部下だよ。めっちゃ可愛がってる奴だけど、どうかした?」
ここで、つい今まで嫌味を言われてきた怒りが出て、夫に告げ口してしまいました。
「いっつも土日出ろっていう意地悪な先輩がいたでしょ? その人の子どもみたい。なんでその人は土日は出勤していないの?」
旦那によれば、先輩の息子は会社にいろいろな言い訳をして、休日出勤を断っているそうです。
そして、私の次の出勤日。
先輩に会うと、見たことのない笑顔で私を迎えてくれました。
「いつも旦那さんに息子がお世話になってるみたいで」
人が変わったようにいつも以上に働いて、私の仕事まで手伝ってくれるようになりました。
心の中で「旦那ありがとう!」と叫びましたよ。
旦那がその息子さんに会ったら「母が奥さんと同じ仕事みたいで...本当にすみません」と気まずそうだったので、旦那は全く知らないふりで接したそうです。
世間は狭すぎて怖いですね。
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