「寒天」というと、甘いデザートを思い浮かべる方も多いと思います。ですが、実は、料理に活用することもできる食材です。カロリーはゼロに近いうえ、食物繊維を豊富に含んでいるので、カロリー制限をしたいときにも活躍してくれます。
寒天についての素朴な疑問を、料理研究家・管理栄養士の村上祥子さんに答えてもらいました。
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Q1 寒天は毎日どのくらいを目安に食べればいいの?
A1 1日の食物繊維摂取目標量は18~20gと言われていますが、実際は平均16.8gの摂取量となっていて、ほとんどの人が不足気味。不足分を寒天で補うとしたら、粉寒天2g程度です。ただ、カロリーが低いからと食べ過ぎるとおなかをこわすことがあります。
Q2 寒天とゼラチンはどこが違うの?
A2 寒天は海藻が原料で植物性の食物繊維、一方のゼラチンは牛や豚の骨や皮から作られる動物性のたんぱく質です。固まる温度は寒天が35~40℃、ゼラチンは15~20℃です。ゼラチンは小さじ1(3g)で約10kcal、寒天はカロリーはほとんどありません。
Q3 粉寒天がきれいに溶けないときは?
A3 粉寒天は水分にふり入れないときちんと溶けません。粉寒天を入れてから水分を注ぐときれいに溶けないことがあります。水に粉寒天をふり入れてから混ぜ、電子レンジや鍋で加熱するときれいに混ざります。
Q4 寒天が固まらないことがあるのですが...?
A4 寒天が固まる温度は35~40℃、夏の暑い時季では常温で固まります。ですが、かんきつ系など酸の強い果物や牛乳などの乳製品と合わせると、固まりにくいことがあります。これらを使うときは、寒天をよく煮溶かし、粗熱をとってから加えるといいでしょう。ただ、この固まりにくい性質を利用して、ドレッシングやドリンクなどを作るとふるふるっとした食感の不思議な味わいを楽しめます。
Q5 残ってしまった寒天液は流しに捨ててもいい?
A5 寒天を煮溶かした寒天液が残ったら、そのまま流しに捨てないようにします。寒天は常温でも固まり、85℃以上に再加熱しないと溶けないため、排水管が詰まることがあるのでご注意を。残った寒天液は一度固めてから、生ゴミとして捨てるようにしましょう。
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取材・文/石井美佐