薬が効かないことも!? 知っておきたいシニア世代の「貧血」対処法

猛暑が続くと体がだるく、食欲低下といったことが起こりがちです。そんな症状の原因として「貧血」が隠れているのをご存じでしょうか。そこで、東京都健康長寿医療センター血液内科部長、宮腰重三郎先生に、シニア世代の貧血の対処法についてお聞きしました。

持病のある人は要注意

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症状として合併している基礎疾患の症状が 前面に出ることがあります。

狭心症で心臓が悪い人は、貧血によって動悸・息切れ・倦怠感などの狭心症の症状が強く現れます。また、認知症を進行させてしまうなど、貧血は持病を悪化させるので要注意です 。

病院でもらった薬が効かない

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精密検査を行わず、老人性貧血と診断され、造血剤と称して鉄剤を漫然と処方されてしまう場合があります。

鉄欠乏性貧血以外にも、がんなどの病気に伴って起こる貧血は数多くあるため、原因究明をせずに鉄剤を飲んでも 貧血が改善されないことがあります。

対処法として

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基礎疾患の検査と治療を忘れずに受けるようにしましょう。

鉄欠乏性貧血の場合

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鉄分の多い食事を心がけ、バランス良い食生活を心がける

1)たんぱく質とビタミンが大事

・魚または肉、卵などを毎食摂る

・鉄の吸収を促進するビタミンCを含む食材を忘れずに

・腎臓の悪い人は、カリウムの多いほうれん草や小松菜を控えめに

・高カリウム症は心臓に負担をかけ、不整脈の原因にもなるので注意

2)酢の物の効用にも注目!

・胃酸の分泌を促して鉄分の吸収を助ける

3)お茶やコーヒーは、ほどほどに

・タンニンは鉄の吸収を妨げるため、緑茶やコーヒーは控えめに

4)鉄分を多く含む食品を積極的に

・レバー、赤身の肉、さバ、いわしなど

健康診断の血液検査の結果貧血の疑いがあるときには精密検査を受けて原因を突き止めましょう。単に高齢者の貧血と放置しないことが、がんなどの別の病気の早期発見につながります 。

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取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

<教えてくれた人>

宮腰重三郎(みやこし・しげさぶろう)先生

東京都健康長寿医療センター血液内科部長。1959年新潟県生まれ。聖マリアンナ医科大学卒。虎の門病院血液科などを経て2006年東京都老人医療センター血液科医長、2009年より現職。高齢者の貧血に詳しく血液腫瘍の診断・治療が専門。

この記事は『毎日が発見』2019年8月号に掲載の情報です。

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