<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ひとりっこ
性別:女
年齢:51
プロフィール:2年前に父が他界。75歳になる母と私、そして29歳の娘の3人で昨年同居を始めました。
理髪店で働いて50年以上になる母は、仕事柄だと思うのですがお喋りが大好きです。
仕事場で話をするのは当然のことなので構わないのですが、家に帰って来てもそれが止まりません。
様々な人と話をするので、噂話だけでなくその日髪を切ったお客さんのことなども細かく私に話してくれます。
朝起きて「おはよう」の続きに始まり、夜「おやすみ」と寝室に入るまで。
食事中もテレビを見ているときも、洗濯物を干すときもずっとなのです。
それだけでもかなりストレスになっているのに、困った事にお喋りの内容が聞いていてあまり楽しく思えないものばかりなのです。
「〇〇さんの旦那さんが亡くなったんだって」「〇〇さん、先週から入院したらしいよ」など、年齢的なこともあり仕方ないとは思うのですが、病気の話やよその家の家庭内の良くない話ばかり。
時には誰かが病気になったと言って、自分も同じ症状があるので心配だといいます。
ほかにも、かかりつけの病院の薬で誰かが副作用を起こしたから私もやめようかとも。
話しているうちに自分のことに置き換えて不安になってくるようで、結局最後は自分も調子が悪い気がするから検査をしようかとなるのが定番です。
実際に次の日にかかりつけの病院の先生に検査をお願いに行ったり、薬が合わない気がすると薬を変えてもらったりしたこともあります。
私は何度も「もともと毎週病院に行っているんだし、何かあれば早く気づいてもらえるだろうからそんなに心配しなくて良いんじゃない?」といいました。
その場は「そう?うん...そうだよね」と返事をするのですが、また外で良くない話を聞いてきて、すぐに不安になるようです。
そんな話が毎日毎日続いていて、特に晩ご飯の時間に必ずと言っていいほど始まるので、娘が「おばあちゃんとのご飯は美味しくない」と言うほどになっています。
「誰が死んだとか入院したとか、聞いてると気持ちが沈む」と。
気持ちはもちろん分かります。
でも母は「そんなこと言ったって」と納得がいかない様子。
そういうときは私も「そうだよね、もっと明るい話がいいよね」と娘の意見に賛同します。
すると少し仕方なさそうに母が話すのをやめるのです。
私と娘が実家で両親と同居することを拒んでいた頃、父が「理由は分かっている」と言っていました。
私も娘も母のお喋りを苦痛に感じていたことを知っていたのです。
そして父も母の相手をするのは大変だと何度もこぼしていました。
家で愚痴ばかり言うなと伝えたらどうかと父に言いましたが、それで機嫌を悪くするほうが面倒だと溜め息をついていた父。
その頃はまだ心のどこかで父も大変だなと他人事のように受け止めていましたが、父が亡くなり、大変さを身にしみて感じるようになりました。
本当に困ったものだなと毎日頭を抱えてしまっています。
母親が元気なことはとても良いことだとは思うのです。
でも、もう少し家族のことを考えてほしい。私や娘の言うことを受け入れて、明るく食事ができるよう多少は気を遣ってくれても良いのにと思ってしまいます。
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