「死ぬまで好きなものを食べ続けたい!」なら、鍛えるべきは「口の中」。そこで、丈夫な歯と歯ぐきを維持できるトレーニングを考案した歯科医師・新谷悟さんの著書『歯と歯ぐきを強くする 噛みトレ』(アスコム)から、「口と歯を守る」ためのヒントをご紹介します。
人前で気になる「口臭」や「活舌」も予防!
口の周りの筋力の低下は、人前で気になる2つのことに深く関連しています。
ひとつは「口臭」、もうひとつは「滑舌」です。
口臭は腐敗によって発生します。
口の中には、300~700種類の細菌が生息しているといわれています。
その数、1000~2000億個。
歯みがきをまじめにしていない人は、4000~6000億個もあります。
口内細菌にも体にいい善玉菌と悪さをする悪玉菌がありますが、バランスがとれているときは、悪玉菌はおとなしくしています。
ところが、バランスが崩れて悪玉菌が増えはじめると悪臭を放つようになります。
それが、いわゆる気になる口臭です。
バランスが崩れる理由は、何といっても唾液の減少です。
唾液が十分に分泌されないことで悪玉菌を除去しきれなくなり、増殖させてしまうのです。
「噛みトレ」で唾液力が高まれば、すぐに口臭は改善できるし、予防することも可能です。
口臭が気になりはじめたら、ドライマウス(口腔乾燥症)の可能性もあります。
これも原因は唾液量の減少です。
悪化すると舌がひび割れたり、痛みを感じるようになったり、味覚がおかしくなったり、発音が悪くなったりするなど、日常生活に支障をきたすようになるので注意しましょう。
ドライマウスは、オーラルフレイルの初期段階に発症するともいわれています。
また、口の周りの筋肉が衰えると、滑舌も悪くなり、舌もまわらなくなります。
話すことは、口、舌、のどの筋肉の複合動作です。
筋肉がスムーズに動けば、自分の思い通りに発音することができます。
滑舌の悪さは、最初に自覚できるオーラルフレイルの症状といわれています。
「かきくけこ」「さしすせそ」「たちつてと」「らりるれろ」が言いづらくなったら、要注意。
口の機能が衰えている可能性があります。
滑舌が悪くなることの最大のデメリットは、うまく話せなくなることで、人と会ったり、人がいるところへ出かけなくなったりすることです。
社会との接点が少なくなると、老人性うつ病を発症するきっかけにもなります。
そうなる前に「噛みトレ」です。
口やあご、そしてのど周りの筋肉をほぐして、滑舌が悪くならないようにしましょう。
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