「死ぬまで好きなものを食べ続けたい!」なら、鍛えるべきは「口の中」。そこで、丈夫な歯と歯ぐきを維持できるトレーニングを考案した歯科医師・新谷悟さんの著書『歯と歯ぐきを強くする 噛みトレ』(アスコム)から、「口と歯を守る」ためのヒントをご紹介します。
噛めば噛むほど幸せホルモンたっぷりで、心のバランスが整う
心の安定には欠かせないといわれる脳内の神経伝達物質に、「セロトニン」があります。
幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンは、ストレス、運動不足、睡眠不足などが続くと分泌されにくくなります。
そうなると、不安になったり、落ち込みやすくなったり、心のバランスがとれなくなったり、集中力が低下したり、意欲がなくなったりするのです。
また、セロトニンは眠気を引き起こす「メラトニン」というホルモンの材料にもなるので、セロトニンが不足するとよく眠れなくなります。
逆に、セロトニンが増えると、目覚めがよくなり、頭がスッキリしてポジティブな気分で過ごせるようになり、表情も明るくなります。
セロトニンを増やす方法は、食事からとる、日光を浴びる、軽い運動をするなどいろいろありますが、噛むことも増やす方法のひとつです。
というのは、噛む動作は、セロトニン神経を活性化するといわれるリズム運動になるからです。
噛むことは、1日3回の食事のたびに必ず行っているリズム運動です。
朝食をしっかり噛んで食べれば、セロトニン神経を活性化させて1日をはじめられます。
セロトニン神経の活性化のピークは2時間といわれているので、昼前には弱まってきますが、昼食でよく噛めば、ふたたび高まります。
そして夕食でもう一度高める。
噛むだけで、目覚めてからほぼ1日、セロトニン神経を活性化させたまま過ごせるというわけです。
こんなに簡単なセロトニン分泌法は、ほかにはないかもしれません。
よく噛める状態を維持していれば、いつでもセロトニンを出せるということです。
補足として、食事にも気をつけると、さらにセロトニンの分泌がよくなります。
セロトニンの材料になるのは、たんぱく質に多く含まれるトリプトファンという必須アミノ酸です。
9種類ある必須アミノ酸は人間の体内ではつくれないので、食べものからとるしかありません。
トリプトファンをたくさん含んでいる食材としては、大豆製品や乳製品などがあります。
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