健康診断などで目にする「LDL(悪玉)コレステロール値」、ほかにHDL(善玉)コレステロールや中性脂肪の値が異常になると「脂質異常」と診断されます。とはいえ、コレステロールは体を維持するためには必要なものです。今回は、コレステロールの働きと脂質異常症について医学博士の栗原先生にお話をお聞きしました。
この記事は月刊誌『毎日が発見』2023年10月号に掲載の情報です。
脂質異常症セルフチェック
3つ以上当てはまる人は、内科を受診し、血液検査などを受けましょう。
女性は特に閉経後の数値の上昇に注意
健康診断で血液検査を受け、「LDL(悪玉)コレステロール値が高い」と医師から言われたことはありませんか?
LDL(悪玉)コレステロールのほか、HDL(善玉)コレステロール、中性脂肪の検査数値が異常の場合、「脂質異常症」と診断されます。
脂質とは油の成分のこと。
コレステロールもその一種で、細胞膜やホルモン、胆汁酸などの原料となり、体にとって必要不可欠な油です。
「悪玉」といわれるLDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを血管を通じて全身へ運ぶ役割を担い、「善玉」といわれるHDLコレステロールは、余分なコレステロールを回収する役割を担います。
LDLコレステロールがないとコレステロールを全身に届けられなくなるため、一概に「悪玉」とはいえませんが、数値が増え過ぎると血管壁にコレステロールがたまって動脈硬化を促進し、心筋梗塞や狭心症、脳卒中などのリスクが高まります。
「閉経後の女性は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少に伴い、コレステロールの産生抑制や余分なLDL(悪玉)コレステロールの回収力が弱まり、数値の異常が見られやすくなります。健康診断で治療が必要と言われる人は少なくありません」と、栗原毅先生は言います。