腰痛に悩んでいる人は、実は「ろっ骨」が固くなっているのかもしれません。新しい腰痛改善法を提唱する川口陽海さんは「ストレスでろっ骨が固くなると血流不足を引き起こし、腰痛発症の原因になります」と言います。1万人の患者を治してきた川口さんの著書「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」(アスコム)から1日1分でできる「ろっ骨ほぐし」の方法をご紹介します。
山形県民に肩こりが少ないわけ
腰痛と同じくらい、肩こりにお悩みの方も多いのではないでしょうか。
平成28年の国民生活基礎調査によると、男性の体の悩みの第1位が腰痛、第2位が肩こり、女性の第1位が肩こり、第2位が腰痛となっています。
腰痛とともに、まさに「国民病」といえる悩みですが、じつは山形県の方々が日本全国でいちばん肩こりが少ないそうです(平成22年の国民生活基礎調査を基に算出したランキング)。
その理由は、なんと「花笠音頭」を踊る人が多いから、という説があります。
花笠音頭は、花笠を上下に動かす踊り。
確かに肩甲骨まわりの筋肉をよく使っています。
あるテレビ局の調査によると、花笠音頭を練習する山形県民謡協会の60人(平均年齢60歳)に、肩の柔軟性を調べるテストをしたところ、60人中50人が良好な結果を得られたとのこと。
東京都健康長寿医療センター研究所の金憲経(キムホンギョン)医師も、花笠音頭は「肩まわりの血行を促進させる動き」だとし、肩こり予防法として注目しているそうです。
もちろん山形県民の誰もが花笠音頭を踊っているわけではないので、これらは参考データにすぎないですが、なかなか興味深い話ではあります。
山形県はさくらんぼ農家など第一次産業に従事している人が多いのも一因かもしれません。
さくらんぼの木の剪定は、腕を上げ下げする動きが多く、僧帽筋など肩甲骨まわりの筋肉をよく使います。
つまり、肩甲骨まわりの筋肉が凝り固まらないようにすれば、肩こりになりにくくなるといえるでしょう。
「ろっ骨ほぐし」で肩甲骨をゆるめれば、
肩こり・首・背中の痛みが消える!
「ろっ骨ほぐし」は、僧帽筋などの肩甲骨まわりの筋肉もほぐします。
肩甲骨まわりの筋肉が硬直すると、血流が悪くなり、老廃物がたまり、これが痛み物質を生み出し、肩こりが発症してしまうのです。
肩甲骨まわりの筋肉は、肋間筋などのろっ骨の筋肉とも連動しています。
そのため、肩甲骨まわりの筋肉が固くなると、ろっ骨が縮こまり、肩が突き出た猫背になってしまいます。
すると呼吸が浅くなり、ますます血流が不足し、肩こりは悪化します。
この悪循環を断ち切るのに、「ろっ骨ほぐし」は非常に有効です。
また肩こりは、胃腸の疲労によっても発症します。
胃腸の疲労は、神経系を通じて、背中の筋肉を固まらせることがわかっています。
背中の筋肉が硬直すると、筋膜を通じて、今度は肩や首の筋肉にダメージを与えて肩こりが起きるのです。
「ろっ骨ほぐし」は、背中の筋肉(脊柱起立筋)もほぐしていきますので、このような胃腸由来の肩こりにも対応しています。
そして、ろっ骨をほぐして呼吸が深くなれば、自律神経が整います。
胃腸は自律神経と密接に関係した臓器です。
自律神経が整うことによって、胃腸の疲労が改善すれば、背中から首にかけての筋肉の硬直は和らいでいくでしょう。
かくも「ろっ骨ほぐし」は、全身の痛みに万能なクスリといえるのです。
「ろっ骨ほぐし」は、頭痛も解消する
頭痛の原因はいくつかありますが、日本に約3000万人いる「頭痛持ち」のうち、2200万人は緊張性頭痛、つまり筋肉の硬直によって引き起こされています。
腰→背中→肩→首と、首に至るまでのどこかで筋肉の硬直が生まれると、脳への血流が損なわれて、頭痛が起きているのです。
また、精神的なストレスも頭痛の一因とされています。
となれば、ここも「ろっ骨ほぐし」の出番です。
「ろっ骨ほぐし」は、腰、背中、首の筋肉の緊張をほぐすにはもってこいですし、ストレスを緩和することができます。
「ろっ骨ほぐし」にかかれば、全身の痛みはお手のものなのです。
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手術・薬いらずの腰痛改善法「ろっ骨ほぐし」を全6パートに集約