腰痛に悩んでいる人は、実は「ろっ骨」が固くなっているのかもしれません。新しい腰痛改善法を提唱する川口陽海さんは「ストレスでろっ骨が固くなると血流不足を引き起こし、腰痛発症の原因になります」と言います。1万人の患者を治してきた川口さんの著書「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」(アスコム)から1日1分でできる「ろっ骨ほぐし」の方法をご紹介します。
まずは、ろっ骨に対するイメージを変えよう
あなたは「ろっ骨」と聞いて、どんなイメージを持ちますか?
腰痛に苦しんでいたころの私は、「ろっ骨は肺を守っている骨」「胸の下側にある、触ると『骨』だと感じる部分」というイメージがありました。
もちろん、人体構造的に、ろっ骨がもっと広範囲に及んでいることは知っていましたが、日常生活の中で、自分のろっ骨が、胸の上からお腹の横まで及び、さらには背中側までぐるりと肺を取り囲んでいることを意識することはありませんでした。
ろっ骨は、胸、背中、お腹の横に及ぶ、広範囲の骨なのです。
このイメージを持つと、中にある肺のイメージも変わってきます。
ふだん私たちは呼吸するとき、胸の前側で呼吸していると感じないでしょうか?
これが、浅い呼吸になる要因の一つです。
ろっ骨が背中やお腹まで囲んでいると意識すると、肺も背中やお腹まで大きく膨らむイメージを持つことができます。
これが、正しい深い呼吸のイメージです。
ろっ骨まわりの筋肉について知ろう
ろっ骨は左右あわせて24本あり、すべてが背骨につながっています。
また24本のろっ骨の間には、すべてに肋間筋(ろっかんきん)という筋肉がついています。
肺は自ら収縮することができません。
だから私たちは呼吸するとき、肋間筋など呼吸するための筋肉(呼吸筋)の力で、ろっ骨を膨らませたり縮めたりして、呼吸しているのです。
呼吸筋は10種類以上ありますが、これらはすべてが目に見えないインナーマッスルです。
浅い呼吸を続けていると、呼吸筋が刺激されず、気づかないうちにガチガチに固まってしまいます。
すると、さらに浅い呼吸になる悪循環に陥ります。
それを断ち切るのが、「ろっ骨ほぐし」です。
「ろっ骨ほぐし」は、肋間筋などの呼吸筋をほぐし、呼吸する力を高めていきます。
呼吸が深くなれば、腹圧が強くなり、体幹を安定させるインナーマッスルが強化されます。
同時に、全身と脳の隠れ酸欠が解消して、痛みを緩和します。
また、背骨とつながっているろっ骨には、脊柱起立筋や肩甲骨まわりの筋肉など、腰へのダメージの元になる筋肉があるため、そこも同時にほぐしていきます。
このように「ろっ骨ほぐし」は、腰痛にかかわるさまざまな要因を一気にターゲットにするため、9割以上の方の腰痛を改善できたのです。
これほど効率のよいメソッドは他に見当たらないでしょう。
ろっ骨の固さをチェックしてみよう
次の項目で2つ以上に当てはまる人は、かなりろっ骨が固くなっています。
□ 猫背
□ 首が前に出ている
□ 深呼吸しても息が入りにくい
□ 大きな声を出せない
□ 緊張すると呼吸の回数が増える
□ 疲れやすい、疲れが残る
□ イライラしやすい
□ 階段を上るとき、息切れする
□ 冷え症がある
□ ぐっすり眠れない
□ ささいなことで不安になる
また、以下の方法でも、あなたのろっ骨の固さがチェックできます。
①立った状態で、両手で、横腹のろっ骨を両サイドからつかむように手を当てる
②息を思いきり吸い込む
このとき、次の状態だと、ろっ骨が固くなっています。
・ろっ骨があまり動かず、肩が上がる
・横に広がるが、背中側はあまり動かない
ベストな状態は、前にも、横にも、背中にも、ろっ骨が広がるようになることです。
「ろっ骨ほぐし」を続けて、柔らかいろっ骨を手に入れましょう。
【まとめ読み】腰痛を改善する画期的な方法「ろっ骨ほぐし」の記事一覧
手術・薬いらずの腰痛改善法「ろっ骨ほぐし」を全6パートに集約