南アフリカに腰痛がない村がある。秘密はインナーマッスルにあり!

腰痛に悩んでいる人は、実は「ろっ骨」が固くなっているのかもしれません。新しい腰痛改善法を提唱する川口陽海さんは「ストレスでろっ骨が固くなると血流不足を引き起こし、腰痛発症の原因になります」と言います。1万人の患者を治してきた川口さんの著書「腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい」(アスコム)から1日1分でできる「ろっ骨ほぐし」の方法をご紹介します。

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腰痛が生まれたのは、人類が二足歩行を始めてから

腰痛は、人類が二足歩行を始めてから生まれた病気です。

人類の祖先はもともと、他のほ乳動物と同様に四足歩行をしていたので、骨格や筋肉のつくりは四足歩行用のものでした。

しかし、人類は、進化の過程によって二足歩行を始めます。

人類の進化は急速だったため、私たちの骨格や筋肉には、四足歩行時のなごりがあります。

それは、骨盤が水平から約30度前方に傾いていることです。

もし完全な「二足歩行用」の骨格があるとすれば、骨盤は地面と水平で、その上に垂直の背骨がのっていたほうが、体のバランスがとれて合理的な構造といえます。

でも、私たちの骨格はそうなっていません。

骨盤が傾いているため、体幹のバランスが崩れやすく、そのしわ寄せで腰に負担がかかり、腰痛になってしまうのです。

南アフリカのグンダ村には腰痛が存在しない

あるテレビ番組で、南アフリカ共和国のグンダ村には腰痛の人が一人もいないと紹介されていました。

2000人の村人全員が「腰痛にならない」と回答したのです。

その理由は、村人たちはみな、腰椎や骨盤についている腸腰筋(ちょうようきん)などのインナーマッスルが発達しており、骨盤が安定して、人類として「正しい姿勢」を保持できているからです。

黒人のアスリートもインナーマッスルが発達しているため腰痛になりにくいといわれています。

腰痛になる人は、骨盤が後傾して猫背になっているか、極端に骨盤が前傾して反り腰になっていることがほとんどです。

いずれも腹圧が弱く、インナーマッスルが使われていないため、体のバランスが崩れてしまっています。

人類として「間違った姿勢」になってしまっているのです。

ちなみに体幹を支えるインナーマッスルには他にも、お腹の横側にある腹横筋(ふくおうきん)、骨盤を支える骨盤底筋、背骨に沿った多裂筋(たれつきん)などがあります。

ろっ骨が柔らかければ、「正しい姿勢」が手に入る

インナーマッスルを鍛える、と聞くと、筋トレを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、腰痛を治すためにハードなトレーニングは必要ありません。

深い呼吸によって腹圧を高めれば、体幹を安定させるインナーマッスルが自然と強化されます。

なぜなら、呼吸によって上下する横隔膜はインナーマッスルと連動していて、横隔膜が大きく動けば動くほど、インナーマッスルは勝手に鍛えられていくからです。

つまり、深い呼吸をするだけで、腹圧が高まり、インナーマッスルが鍛えられ、その結果、「正しい姿勢」を手に入れることができます。

深い呼吸をするためには、「ろっ骨ほぐし」で、ろっ骨まわりの筋肉を柔軟にする必要があります。

ろっ骨まわりの筋肉がカチカチに固まっていると、どんなにがんばっても、理想的な深い呼吸をすることができないからです。

脳は常に体のバランスを保とうとする
インナーマッスルが弱いと、腰がダメージを受ける

私たちの体は、立ったり、座ったり、歩いたりといった動作をするための構造をしています。

人類が二足歩行を始めたころは、まだ農耕が始まっておらず、長時間歩いて獲物を探す生活をしていました。

それゆえ、インナーマッスルが発達しており、当時の人類には腰痛はなかったと推測できます。

もともと私たちの体は、長時間歩くことを前提とした構造をしているのです。

ですが現代人は、圧倒的に運動量が減り、インナーマッスルが退化し、人類として「間違った姿勢」で暮らしています。

体を支えるインナーマッスルが弱いと、ろっ骨まわりの筋肉が固くなり、猫背や反り腰などの「間違った姿勢」になってしまいます。

その結果、腰に負担がかかって腰痛になるのです。

私たちの脳は神経を通して、筋肉や関節に指令を送っています。

そのおかげで、私たちは動くことができます。

さらに最新の研究では、筋肉や関節からも、脳に向けて自らの位置情報をフィードバックするセンサーがあることがわかってきました。

つまり脳と筋肉や関節は、互いに情報を常時やりとりしているわけです。

脳の最大の目的は、各部位の負担軽減ではなく、人間が人間として活動できるように、全体のバランスをとること。

そのため、インナーマッスルが弱まっていると、脳は別の部位に負荷をかけて、バランスを保とうとします。

それが腰へのダメージとなるのです。

「ろっ骨ほぐし」によって、腹圧を高め、インナーマッスルを鍛えてあげれば、脳は腰に負担を課す必要がなくなります。

その結果、腰痛が和らいでいくのです。

「ろっ骨ほぐし」で背中をゆるめれば、腰はさらに楽になる

「ろっ骨ほぐし」は、体幹を安定させるためだけに力を発揮するわけではありません。

腰痛になる方の多くは、ろっ骨まわりの筋肉の中でも、とくに背中側の筋肉(脊柱立筋ーせきちゅうきりつきん)が緊張しています。

すると脳は、背中の筋肉が請け負うべき負担を、腰の筋肉が代理で請け負うよう指令を送ります。

その結果、腰へのダメージが倍増して、腰痛が発症するのです。

「ろっ骨ほぐし」は、このパターンにも対応します。

「ろっ骨ほぐし」によって、背中の筋肉を直接ゆるめれば、脳は腰に負担を課す必要がなくなります。

すると、腰には一切なんの施術をしなくても、腰痛は改善していくのです。

このように「ろっ骨ほぐし」は、インナーマッスルや背中の筋肉など、腰痛の原因となっている筋肉をまとめてほぐすことで、腰痛を撃退していきます。

これまで「腰そのものの治療」しかしてこなかった方は、ろっ骨まわりの筋肉が緊張している可能性が非常に高いです。

ぜひ、「ろっ骨ほぐし」を始めてみてください。

【まとめ読み】腰痛を改善する画期的な方法「ろっ骨ほぐし」の記事一覧

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手術・薬いらずの腰痛改善法「ろっ骨ほぐし」を全6パートに集約

 

[著者]川口陽海(かわぐち・はるみ)

腰痛トレーニング研究所・さくら治療院院長。最新の腰痛研究をもとに「ろっ骨ほぐし」を考案。患者が痛みや苦しみから解放されるまで全面的にサポートする治療方針で、これまで原因不明の腰痛に苦しんできた1万人以上の患者を救っている。

[監修]永澤 守(ながさわ・まもる)

かつしかキュアクリニック院長。おだやかな優しい口調で、患者の訴えに耳を傾けた一人ひとりに寄り添う医療を提供し続けているのがポリシー。日本臨床内科医会会員。本書をはじめ、医療監修に「爆報THEフライデー」(TBS)など多数に関わる。

自宅でもテレワーク中に楽しくできる「ろっ骨ほぐし」腰痛改善法!

 

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『腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい』

川口陽海《著》、永澤守《監修》/アスコム)

固くなったろっ骨が「柔軟性」を取り戻すと…腰痛が改善される! その画期的な方法に気づき、最新の研究を取り入れながら長い試行錯誤の末に開発した川口陽海先生による「ろっ骨ほぐし」。腰痛改善理論やメソッド、具体的なエクササイズが惜しげもなく公開された話題作。「1日1分ほぐすだけ」で、多くの人の人生を変えた注目の一冊です。

※この記事は『腰痛を治したけりゃろっ骨をほぐしなさい』(川口陽海《著》/永澤守《監修》/アスコム)からの抜粋です。

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