放っておくと骨に悪影響も!「肩こり」に慣れしまっては危ないワケ

たかが肩こり、されど肩こり。放っておくと重大な病気に発展してしまう危険性もあるのが肩こりです。その原因と注意すべき痛みの種類、予防に効く姿勢やストレッチなどを、東京都済生会中央病院整形外科担当部長の手塚正樹先生に教えていただきました。

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ひどい肩こりでは家事や外出などもつらいですね。厚生労働省の「平成28年 国民生活基礎調査」によれば、女性を悩ます症状の第1位は「肩こり」です。肩こりはよくある症状といえますが、首から肩にかけて、おもりをのせられたようにずっしりと重く、痛みを伴った症状が長く続くと、「何かの病気ではないかしら?」と不安を抱く方もいます。原因を知り、正しく対処することが大切といえます。

 

■あなたの生活習慣は、どれくらい「肩こり」につながっている?
当てはまるものにチェックをしてください

□猫背(気味)である。そう言われることがある
□いすに座るときは浅めに座る
□外出が少ない
□座っている時間が長い
□キッチン台や流しの高さが合わない
□枕の高さが合わない

当てはまるものが多いほど、肩こりになりやすい生活習慣といえます、もう一度、生活を見直してみましょう。


「肩こりは、筋肉の緊張状態が続いて血行障害を起こすことが原因です。人間の頭は約6〜7kgもあり、それを首と肩で支えるために筋肉に負担がかかりやすいのです。特に筋肉量が少ない方は肩こりを起こしやすく、その状態が続くと首の骨(頸椎)などにも悪影響を及ぼすことがあるので注意しましょう」と手塚正樹先生は話します。

 

■ご存じですか「肩こり」の原因
・筋肉疲労
・血行障害
頭と首を支える筋肉が疲労すると、血行が悪くなって血液から供給される酸素が不足し、乳酸などの老廃物が生じてたまり、それが末梢神経を刺激して痛みなどにつながります。

 

■「肩こり」ではなく「病気が疑われる痛み」かも!
・腕がしびれる
・上腕がだるい
・肩が痛い
しびれは神経が圧迫されるなど、 神経が障害されたときに起こり、肩こり以外の原因があります。狭心症などの内臓の病気でも、肩こりのような症状が出るので注意しましょう。

首の骨の病気に関わるのは、変形性頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアが代表格ですが、肩の症状につながる病気はいろいろあります。例えば、筋肉量が少なくなで肩の人は、鎖骨といちばん上の肋骨の隙間が狭くなる胸郭出口症候群を起こしやすいそうです。肩の関節の軟骨の変形が進む変形性肩関節症、骨と筋肉をつなぐ腱が切れてしまう腱板断裂なども、肩に強い痛みやしびれを引き起こします。

 

■首、肩、背中にある主な表層筋と深層筋
<前から見た図>
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<後ろから見た図>
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体の表面を覆う筋肉を表層筋、その下にある筋肉を深層筋といいます。表層筋は滑らかな体の動きに関わり、深層筋は運動を支え、正しい姿勢を保つために重要になります。長時間の同じ姿勢で深層金の負担が多く筋肉疲労を起こすと、表層筋にも負荷がかかり、首、肩、背中の痛みやこわばりにつながります。放置すると関節にも悪影響を及ぼします。

 

次の記事「肩こりの悪循環「肩こりサイクル」を避けるには、まずは姿勢の見直しを!(2)」はこちら。

取材・文/安達純子 イラスト/堀江篤史

 

 

<教えてくれた人>

手塚正樹(てづか・まさき)先生

東京都済生会中央病院整形外科担当部長。慶應義塾大学医学部整形外科客員講師。慶應義塾大学医学部卒。2009年より現職。専門は脊椎・脊髄外科。監修書籍『ウルトラ図解 くび・肩・背中の痛み』(法研)などで一般の人への啓蒙も行う。

この記事は『毎日が発見』2019年3月号に掲載の情報です。

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