年齢を重ねるにつれて、「肩が上がらない」「足元がおぼつかない」など、若いころにはなかった体の不具合が出てきますよね? そんな悩みを解決できる1日たった10秒の運動があるんです。それは、全国で1万人以上に健康体操を教えてきた"大人の体操のおにいさん・ごぼう先生"こと簗瀬寛さんが考案した介護予防&未病のための健康体操。今回は、簗瀬さんの著書『ごぼう先生と楽しむ大人の健康体操』(あさ出版)から、そのエッセンスを連載形式でお届けします。
思うように「体」を「操」れるか
「体操」ができれば介護は必要ありません。そう言うと、多くの方がキョトンとされます。でも、本当に「体操」さえきちんとできれば、「介護いらず」なのです。
ここでいう「体操」とは、鉄棒を持って大車輪をしたり、平行棒で足をぐるぐる回転させたりする、あのオリンピック種目のことではありません。「体操」とは、読んで字のごとく「体」を「操」ることです。
自分の「体」を"思うように"「操」ることさえできれば、介護は必要ありません。大事なのは、"思うように"です。
歩いていて、何もないところでつまずいてしまった。あるいは、入口から部屋へ入るときに肩をぶつけてしまった、そんな経験はありませんか?
これは、"思うように"「体」を「操」ることができていないから起きることです。
頭ではわかっている。でも、実際に行動に移してみると、うまくできない。歳を重ねれば重ねるほど、こうした現象がつきものです。
「つまずく」だけならいいですが、反射も鈍ってしまうため、つまずきに対応できず「転倒」してしまい、大ケガするなんてこともあるのです。
最近よくニュースになっている「アクセルとブレーキの踏み間違え」も同様です。とっさの判断が必要になったときに、頭ではわかっていても体が反応できず動作を間違えてしまい、事故を起こしてしまうのです。
みなさんを不安にさせたいわけではありません。むしろ、その逆です。
今、例に出したのは、「何もしない」からこそ起きてしまうこと。だったら、「何かすれば」いいのです。
日常生活の中にある小さな「老いの兆し」に気づき、今のうちから「意識」して、自分の「体」を思うように「操」れる状態にしておけば、思わぬ大ケガや事故から身を守ることができます。
「体」を思うように「操」るコツは、「動かして 力を入れて 考える」こと。
一つひとつの動きを丁寧に行い、その都度、自分が動かしたい箇所に力を入れ、実際に力が入っているかどうかを確かめるようにしてください。
もし思ったとおりに力が入っていないなら、動かしたい部分を意識しながら、力を入れる場所を変えてみましょう。思っていることと実際に起きていることのズレを認識するのです。
また、体力がどれくらいあるかを知っておくことも、とても大切です。
普段、無意識でしている行動が、意外とできなくなっているなんてことはありませんか?
テレビ番組を見ていて、「これなら私もできる!」と思って実際にやってみたら、まったく体がついてこなかった......。そんな経験はないでしょうか。
「まさか、そんな、あれ?おかしいな」ということが、歳を重ねると起きてきます。
まずは自分のことを知り、できていないことを意識するようにしましょう。それが、自分の体を思うように操る訓練になります。
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