"介護予防=いまの元気を維持すること"という考えの下、介護予防体操の普及に全国を飛び回るごぼう先生。多くのご高齢者と接する中で特に予防に大切だと感じるのが、日常生活のあらゆることに関わる歩くための筋力維持と脳トレです。
そこでご紹介するのが、上半身で脳トレをしながら下半身を鍛える「脳活・筋活」体操。
「まず、意識して体を動かすこと自体が脳に刺激を与えます。そして体の上下左右で異なる動きをすることも脳トレには効果的。何よりも楽しみながら続けることが大切です。簡単にできるよりも上手にできない方が脳へ刺激になります」とごぼう先生。
上半身と下半身で異なる動きが脳トレになります!
●脳トレ体操で頭をほぐしましょう
認知機能を維持するためには脳を使うことが大切。腕を前に出す、という一つの行為にも脳は使われています。体の上下や左右で異なる動きをし、意識しながら行うことで脳をさらに刺激しましょう。
●お尻を鍛えて尿漏れを防ぎましょう
加齢による筋力の衰えから尿漏れが気になると、外出を控えて暮らしの活力が失われてしまうことも。内転筋や骨盤底筋などお尻周りの筋肉を鍛えて予防しましょう。姿勢の矯正にもつながります。
●太ももを鍛えて歩ける体を維持!
特に下肢の筋肉量は加齢により減少しやすいといわれています。転倒や骨折は要介護になる要因にも。太ももを持ち上げるための大腿四頭筋や体を支える腸腰筋などを鍛えて歩行力を維持しましょう。
それでは、初級編「じゃんけん体操」をご紹介します。
できないところを確認しながら、まずはゆっくり試してみましょう。
◆じゃんけん体操
目安/左右各10秒を3セット
自立歩行に大切な大腿四頭筋を重点的に鍛えます。大腿四頭筋は太ももの前側にある筋肉の総称で、歩行や立ち上がるときに大切な筋肉です。脚をしっかり上げて行いましょう。
また、上げた方の足首をしっかり手前に引くことで、ふくらはぎの腓腹筋も鍛えます。腓腹筋はひざを曲げたり爪先立ちをするときに働くので、スムーズな歩行で転倒を予防するためにも重要な筋肉です。
▼ここを意識
<上半身>じゃんけんをしましょう
脚を上げている方の手が常に勝つように、じゃんけんを行います。脚を上げている10秒間、勝負をし続けましょう。リズムよく行うことが目標です。
<下半身>脚を真っすぐ上げましょう
片脚を真っすぐ前に出し、10秒間キープしましょう。上げた脚の足首はできるだけ手前に引くようにすると腓腹筋も鍛えられます。
上げた方の爪先を体側に倒すようなイメージで行うと、ふくらはぎが刺激されます。
次の記事「上下異なる動きで頭と体を同時にトレーニング! ごぼう先生の「さんかくしかく」体操(2)」はこちら。
取材・文/ほなみかおり 撮影/齋藤ジン