<この体験記を書いた人>
ペンネーム:秋のひまわり
性別:女
年齢:40代
プロフィール:嫁姑バトルの結果、主人と静かな生活を手に入れた幸せ主婦です。
主人には年金生活の両親と5つ下の独身の弟がいます。
主人が10年前に建てた家にみんなが住んでおり、そこに私が加わる形で新婚生活がはじまりました。
私はてっきり義弟が家を出る、もしくは両親が「独立しなさい」と促すと思っていました。
しかし義弟は居座り続け、すべての家計は夫が担い、親や弟からは1円も貰えません。
納得がいかない夫は、義弟に家を出るように言い、2階を義両親と私達夫婦の二世帯用にリフォームしたいと提案をしました。
けれど、義両親は「次男は結婚が決まるまでこの家から出すつもりはない」といい、義弟の方は「俺を家から追い出すのか!」と激怒したのです。
この言葉を聞いた主人は、逆に自分が家を出ることを決意しました。
私達は新しいアパートに移り住み、その月からローンの支払いはもちろんの事、光熱費から食費まで一切を親に渡すのをやめたのです。
義弟は40代の会社員だったため、義両親は経済的に義弟に頼りながら暮らすことになりました。
この別居は私にとって「夫婦二人の幸せな生活」「自分たちの収入を自分たちだけの為に使えること」「貯金ができること」を得られたラッキーなものでした。
それから5年。突然、義弟が一人暮らしをすることになり、義両親への援助を打ち切って家を出ていきました。
たちまち生活ができなくなった義両親は、主人へ資金援助を依頼。
主人は「アパートに住みながら援助するのは無理だが、同居再開ならできる」と提案しました。すると、義両親からは驚きの返答がありました。
「戻ってこられると、弟が帰ってくる家がなくなるので困る」
主人は20代から、新たなアパートに移り住むまで2000万円近いローンの返済をしてきました。
その家に戻れないことに主人は驚き、義両親からの要求を拒否。放っておくことにしたようです。
結局、義両親は生活ができなくなり、義弟に助けを求め、住宅ローンの残金(500万円ほどだったようです)を義弟から貸りる形で一括返済。私たちへのお金の無心はなくなりました。
主人はこの一連の出来事で「義両親の気持ちの中に自分がいない」ことを確信したようで、「もう一度家を建てよう」と前向きに考え、土地を探し始めました。
そうして見つけた土地の購入条件が、誰も所有権を持たない「無資産であること」というものでした。
年老いた義両親と義弟に乗っ取られてしまった家は主人の名義でしたが、思い切って名義を義父に贈与という形で手放すことにしました。
関係は悪化していましたが、主人は筋を通すために義両親に「この家はあきらめる」「50歳になった今から家を建てるので親の(お金)面倒はもう見れない」「葬式、墓などは自分たちで準備してくれ」と、話をつけてきてくれました。
義両親の答えは「あとは次男がやってくれるから」だったそうです。
義両親に捨てられた形となった主人。
かわいそうだなと心から思っていましたが本人は「すっきり」している様子で、明るく幸せな未来にわくわくしているようにも見えました。
これで丸く収まったと思ったのですが...義弟にはたくらみがあったようなのです。
それは「いつかは家を売却して現金化する」こと。
年老いた資産ゼロの義両親にお金を貸したのも、そういった計算があったようです。
ですが、義弟が土地について調べてみると、複数の親戚(本家)の名義が混載されており、他人への売却には難しい手続きが必要で、お金がかかりそうだったのです。
それがわかったとたん、義弟は義両親へお金の返済を迫りました。
そしてまた義両親は私たちに泣きついてきたのです。
家族のために20代で住宅ローンを組み、生活をさせてくれていた長男をもっと大事にしていればよかったのに......。
義両親は自業自得だと思います。
一方私達は新築一戸建ての生活。義両親の老後の心配も考えなくていいとても幸せな時間を過ごしています。
数年間顔を合わせていませんが、たまには義両親の困った顔を見てみたいという、ちょっと意地悪な余裕すらでてきました。
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