いざ介護が始まったら。うちは「在宅介護」?「施設介護」? まず介護の形態を決めましょう

ご両親が元気なうちは、「介護なんて当分先のこと」と他人ごとのようにお考えの方も多いでしょう。しかし介護は突然やってきます。想定もしなかった事態に戸惑い、余計な負担まで背負い込んだ結果、心身の健康を害してしまうこともあるのです。突然の事態に動揺しないためにも、いまから準備をしておくことが大切です。

そこでうまく乗り切るための心構え、準備しておくべきこと、介護サービスを受ける方法、介護サービスの仕組み・精神面・金銭面のアドバイス、予防などについて、淑徳大学総合福祉学部教授の結城康博先生に教えていただきました。

 
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介護には「在宅介護」「施設介護」があります

両親を介護することになったものの、介護の形態も知らないし、何から始めたらいいのか分からない方も多いでしょう。介護には、「在宅介護」「施設介護」があります。まず介護の形態を決めることが先決なので、いろいろご説明します。


在宅介護はさまざまなサービスを利用してうまく介護を

在宅介護は、文字通り、自宅でさまざまなサービスを組み合わせて行う介護です。さまざまなサービスとは、ホームヘルパーなどの資格を取得したプロによる、入浴や食事のサポートなどをいいます。訪問介護、看護、リハビリテーションなどがありますので、介護者のニーズに合わせてうまく選ぶことが大切となります。

さらに、車いすといった福祉用具のレンタルを受けることもできます。ご両親が住みやすいように家のリフォームなどが必要となることもありますが、要介護度の大きさにより介護リフォーム助成金制度を設けている自治体もあるので、調べてみてください。

在宅介護の場合は、金銭面は抑えられますが、介護する家族へさまざまな負担がかかってしまうデメリットもあります。介護者が疲弊し倒れてしまっては無意味。そこで、日帰りで食事やレクリエーションが受けられる「デイサービス(通所介護)」や、短期間(最長30日)だけ施設に入所し介護や機能訓練などを受けられる「ショートステイ」もありますので、活用しましょう。

市区町村役場の窓口、利用している知り合いなどにいろいろ聞いて、とにかく情報を得るようにしてください。

 
施設に介護をしてもらう施設介護

施設介護は、文字通り、介護をしてくれる施設に入所させることです。特別養護老人ホームや介護老人保健施設、介護療養型医療施設などがありますが、要介護度に応じて受け入れの可否が生じます。また、病院に入院しているなど重度の場合は、介護保険サービスを利用するために要介護認定を受ける必要があるので、早くケアマネジャーを探すことが重要。現在の居住地区にある「地域包括支援センター」へ相談に行きましょう。

ケアマージャーとは、介護サービスを受けるためのアドバイスや手続きの代行、サービス事業者・関係機関との連絡調整を行ってくれるケアスタッフで、困っていることを解消するためのケアプランを作成してくれます。

 
要介護度により受け入れ施設が異なるので要介護認定の申請をしましょう

「在宅介護」「施設介護」ともに介護保険サービスを利用するには、要介護認定を受けなければいけません。この要介護認定とは、大きく「要支援」「要介護」の二つに分かれ、手続きをしてもすぐには認定をしてもらえず、30日程度はかかります。

まずはお住まいの市区町村の窓口で要介護認定(要支援含む)の申請をします。その際、申請書、介護保険被保険者証(65歳になるときに全員に交付)などが必要になり、市区町村で異なるので確認しましょう。分からなければ、居住している「地域包括支援センター」に相談するのもいいでしょう。

 

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結城康博(ゆうき・やすひろ)先生

1969年生まれ。淑徳大学総合福祉学部教授(社会保障論、社会福祉学)、経済学修士、政治学博士。社会福祉士、ケアマネジャー、介護福祉士の有資格者。地方自治体に勤務、介護職、ケアマネジャー、地域包括支援センター職員として介護部署などの業務に従事。テレビ、新聞、雑誌など多岐にわたり活動中。新刊『突然はじまる! 親の介護でパニックになる前に読む本』(講談社)など著書多数。

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