1人で2人以上の介護を担う"多重介護"。考えるだけでも大変そうです。しかし中には、約20年にも及ぶ"多重介護生活"を見事にやり遂げた人も。今回はそんな激動の20年間を過ごした、とある芸能人をご紹介します。
西川ヘレンさんが壮絶な多重介護生活を激白!
10月17日の「梅沢富美男のズバッと聞きます!」(フジテレビ系)では、天才漫才師・西川きよしさんの妻・西川ヘレンさんが登場。ヘレンさんといえば明るいイメージの強い方ですが、その背景では壮絶すぎる"多重介護生活"を送っていました。
事の始まりは、義父・義道さんの体調不良。少しずつ体調を崩していくうちに、やがて"うつ病"を発症してしまったそうです。次に同居する義母、実母が同じタイミングで要介護状態に。
突然3人の多重介護生活に入らざるを得なかったヘレンさんですが、実は彼女自身にも"更年期障害"という魔の手が襲い掛かっていました。更年期障害は一般的に45歳から55歳の頃になりやすいといわれ、その症状は人によって様々。ヘレンさんの場合は重い更年期障害だったため、真っすぐ歩行ができなかったり呼吸困難に見舞われてしまうこともあったそう。
多重介護と更年期障害の二重苦によって、一時は精神的にも相当追い詰められていたというヘレンさん。しかし彼女は自身の不調と向き合いながら、約20年にも渡る多重介護生活を見事にやり遂げました。ヘレンさんは、「介護する者が上の立場に立ってはいけない。愛する親を介護『させてもらっている』という気持ちが大切」と言います。そして今では当時のエピソードを講演会でユーモアに語り、シニア世代のパイオニア的存在になっているとか。
多重介護生活を送るリアルな声
ヘレンさんのように多重介護生活を送る人は数知れず。老人ホーム検索サイト「みんなの介護」が"将来、多重介護が必要になるかも... と思ったことはありますか?"というトピックを立ち上げたところ、様々な人たちから"多重介護"に対するリアルな声が寄せられました。
例えば「今まさに多重介護中です」という女性は、兄弟がいないため1人で両親の面倒を見ているとのこと。想像を絶する大変さに、彼女は「共倒れではなくて私の方が先に倒れるんじゃないかって...」と不安な気持ちを隠しきれません。
実際に多重介護中の人は多いようで、サイト上には「兄弟がいても時々来てくれるくらいで、ほぼ私1人で介護状態。正直、かなりキツイです」「自由に外出ができなくなり、ストレス溜まりまくりの毎日。私の人生、介護で終わるのかなぁ...」「自由になりたいって毎日願うばかりの日々」といった声も上がっていました。
いっぽう両親ともまだ元気だという40代の男性も、介護に対して不安なようす。少しずつ足腰が衰えていくお母さんを見ると、「このままもしかしたら... と考えてしまう」「他に身内もいないので、自分がやるしかないかと今から戦々恐々です」とコメントしています。
決して他人事ではない"多重介護"。その大変さは、どんな物差しでも計り知れないようですね。
文/藤江由美