<この体験記を書いた人>
ペンネーム:梅の実
性別:女
年齢:49
プロフィール:何度かの転職を経て、様々な人間模様をみてきたアラフィフです。「人の振り見て我が振り直せ」は人生の教訓の一つ。
私は過去何度かの転職で、様々な人たちと仕事を共にしてきました。
中でも記憶に新しい、昨年まで勤めていた会社でのこと。
その会社には私と同世代(48歳)の女性同僚Yがいました。
私が入社後、総務部所属のYとは違う部署だったのですが、席が近くだったこともありいろいろ話すようになりました。
そこで知ったのは、彼女は転職を一度もしたことがないとのこと。
同じ会社にずっと勤めるってすごいなあ、そう思っていました。
ですが日が経つにつれ、Yの仕事ぶりが気になるようになりました。
一言で言えば、彼女はいわゆる「お局さま」。
全部署全社員のことを知っていて顔が利き、入社した人はみんなYのところになぜか挨拶にくるのです。
彼女は「この会社はこんなところだけど、がんばってね」という感じなのですが、物腰は柔らかく愛想もいいので恐れられているわけではありません。
会社のことに詳しく顔も利くので社内行事の相談にくる人もいれば、別部署への橋渡し(仕事もそれ以外のことも)をお願いしにくる人がいました。
Y自身も頼られて満更でもない様子で、そのため人の出入りが多いのです。
それも仕事の一環ではあるけれど、締め切りが決まっている仕事を優先すべきなのに...と思ってしまう私。
そうかと思えば、突然お茶入れや郵便物配りなど、後輩に頼めばいいことを率先してやりだすこともあります。
詳しく聞けば、その時に配る相手は重役だったりします。
そして、社長や重役にお菓子を配りにいっては戻ってこなかったり...なんてことも。
私以外の中途採用社員たちには「Yさん、お局だからって自由すぎる」と少々不評でした。
私も他部署の事ながらモヤモヤしていました。
ですが、社長の次に長く勤めているYに対して、上司も誰も何も言わないのでした。
そんな中、Yの同僚数人(50代前半の女性陣)と後輩U(31歳)と、一緒にランチにいく機会があったのですが、後輩Uがオフィスへ戻る帰路に、急にYのことを尊敬しているような話を始めたのです。
「みんなのことを知っているし、みんなから信頼されててすごいね」と。
同期でそう話していることや、社長や重役から可愛がられて羨ましいと思っていること、そして自分もYみたいに愛されキャラになりたいということ...。
その場にいた同僚や私は思わず「えっ??」と声を出してしまいました。
何を言っているんだろう...と、思わず口火を切ったのは私。
「Uちゃん、社長や重役に可愛がられて、みんなからも愛されて居心地よくなりたいのがこの会社で上げたいスキルなの?」
ちょっときつめに言ってしまいました...。
悪口ではないけれど、締め切りのある業務をさしおいて社長室や他部署にお菓子を届けにいって長話するのがいいことではありません。
仮にこの会社でYの真似をして、居心地がよくなったとしてもただそれだけのこと。
会社員として、スキルアップすべきことはたくさんあるでしょう!
私と同僚に言われたUはちょっとぽかーんとしていました。
後日、同僚は仕事の後、Uを含めた後輩達とごはんを食べに行く機会を設けたそうです。
そして、Uに話したことを後輩達にも共有し、Yの仕事ぶりは業務に滞りが出るのでみんな困っていることを伝えたそうです。
Yのことが嫌いだからとかではなく、「Yのやり方が通じるのはYだけ」ということ、「会社員としてもっと他にやるべきことがたくさんある」ということを言いたかったそうです。
先輩として苦労を伝えましたが、彼女は浮かない顔でした。
「はたしてちゃんと伝わったのかなあ。いろいろ話したのに『Yさん素敵ですよね、尊敬します』と後輩達が繰り返してた...」
後日、そう教えてもらいました。
そんな騒ぎはつゆ知らず、Yのお仕事ぶりは相変わらず。
いつか注意される日がくるのでしょうか...そうしたら、U達も目が覚めるのでしょうか?
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