全ては不屈の精神から。義父が家の中で厚底スニーカーをはく理由/山田あしゅら

こんにちは山田あしゅらです。

『13番さんのあな―介護家庭の日常―』というブログで義両親の介護の様子を嫁の目線で綴り始めて10年が経ちました。

実家の父のことで大変だった間、不思議なほど何事もなかった義父でしたが、再びいろいろな問題が起きはじめ、介護者である私は振り回されることが増えてきました。

しかし、義父に嫁を振り回している認識はなく、むしろそのほとんどは義父なりの考えがあって、『良かれ』と思いやっていることだったりします。

たびたびイラストにも登場している義父の頭に乗っかっている白いもの。

実はこれ、ヘルメットなんです。

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病気の進行により、転倒することが増えてきた義父が自ら買ってきてかぶるようになりました。

また、前回の記事に書いた、買い物に行くときに旅行用のキャリーケースを使うというのも義父自身が考えたアイデアです。

前回の記事:「冷蔵庫に入れておけば大丈夫!」賞味期限切れだらけの義両親の冷蔵庫/山田あしゅら

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と宣言した手前、嫁に買い物を頼むわけにはいかない。

では、買い物を自力で行うにはどうしたらよいか・・・。

最初、お得意の通販でキャスターのついたショッピングバッグを購入したようですが

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どうやら軽すぎて安定を欠き、杖を突きながら歩く義父には使いこなすことができなかったようです。

次に考えたのが、

スーパーのカートを無断借用して荷物を家に持ち帰ること...。

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これは家族全員に叱られて速攻で却下となりました。

で、結局最後に行き着いたのが旅行用キャリーケースだった...というわけです。

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いわばこういった義父の『不屈の精神の産物である工夫』はほかにも随所にみられました。

2009年の初め頃。

義父は室内でスニーカーを履き始めました。

しかも厚底で重さのあるゴツいスニーカー。

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もちろん、外出用と室内用は分けていましたが最初にそれを目にしたときは

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と思ったほどでした。

しかしどうやらそうではありませんでした。

その半年ほど前、義父は階段を踏み外して3~4段のところから転落したことがありました。

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頭を縫うほどのケガではありましたが幸い骨折には至らず、頭を打ったことによる後遺症もありませんでした。

しかし義父はそれからよほど懲りたのでしょう。

階段の上り下りにはより一層慎重に臨むようになりました。

それまでのスリッパ履きは危ないと思い、かかとのあるスリッパを購入してきたのですが

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と返されました。

義父の病気の症状には転倒の原因ともなるふらつきがあります。

歩行の際、踏み出す足が自分の意思通りに運べず、思わぬ方向に足が進みふらついてしまうのです。

また、義父は極度の冷え性のため夏でも厚手の靴下をはいていました。

自分の足なのに思うように動いてくれず、足裏の感覚も乏しい義父にとって軽いスリッパは頼りないだけだったようです。

ある程度重さがあるので照準の合わせづらい足取りが定められ、なおかつグリップ力のあるスニーカーが一番自分に合っている。

試行錯誤の結果、それを見つけたのは義父自身だったのです。

これは自分がその身にならないと分からないこと。

他人のアドバイスに耳を傾けない頑固さにはたびたび悩まされる義父ですが

いつまでも自分で歩きたいという気持ちとその工夫が後になって分かり「ああ、そういうことだったのか」と見直したものです。

ただし

トイレに入る時もスニーカーのままだったり(そのまま家中歩く)じゅうたんや畳がすぐにボロボロになるってことに目をつぶれば...の話ですけどね。

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山田あしゅら

指定難病及びうつ病の義父(太郎)と認知症の義母(はな子)の介護の日常を アメーバブログ「13番さんのあな―介護家庭の日常」にて綴り始めて10年近く。 山田家介護のキーパーソンでもある50代主婦。

2017年現在、現在義父は88歳・要介護3。入院をきっかけに2017年7月、老健へ入所。 義母は92歳・要介護4。週5日のデイサービスなどでしのぎながら在宅にて介護をしている。 同居家族は夫(としお・60代・会社員)長男(一郎・30代・会社員)。 このほか結婚して独立した次男(二郎・20代・鍼灸接骨院経営)とそのお嫁さん(さくら・看護師)孫(きんとき・2歳)一人暮らしの三男(三郎・20代・会社員)と結構賑やか。 これらの日常をもとに著書『毒舌嫁の在宅介護は今日も事件です!』を2017年7月に出版した。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

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