<この体験記を書いた人>
ペンネーム:みかん
性別:女
年齢:44
プロフィール:ミニトマトの収穫まであと少しです!
今から35年ほど前。
子どもの頃、映画やアニメで観た合言葉に憧れました。
扉を開ける前に3回ノックすると、扉の向こうから「暗号は?」と言われ、「人魚の涙」などと答えて、正解だったら扉を開けてもらえるという単純な遊びです。
何が楽しいのかと疑問に思う方もいるかもしれませんが、合言葉を使うだけでスパイや大泥棒になった気がして楽しかったです。
さて、その後私も成長し、合言葉のことなどすっかり忘れていたのですが、オレオレ詐欺の被害が多発するようになった頃、この合言葉が大活躍しました。
12年ほど前、夏のお盆休みに実家に帰ったときのことです。
詐欺電話がかかってきたらという話を両親(当時父親64歳、母親61歳)としていたのですが、焦っていると声だけじゃ分からないかもしれない。
それに代理の者と名乗られたら払ってしまうかもしれない...そんな不安があったので、何かあったら合言葉を言うようにしよう、ということになりました。
合言葉はそのとき育てていた花の名前にしました。
合言葉を書いた付箋を、実家の電話機に貼り付けておきました。
そして今から7年ほど前、実家にオレオレ詐欺の電話がかかってきました!
「お子さんが事故を起こしました。電話に出ることができず、弁護士の私が電話をかけています。至急お金を振り込んでください」
電話越しの男性はとても紳士的で礼儀正しかったそうです。
反社会的勢力の人が運転している車に衝突してしまい、普通の事故とは違うなどということを細かに話し、両親はパニックになりかけました。
しかし、電話機に貼り付けた付箋を見て心を落ち着け、冷静に「合言葉はなんですか?」と尋ねたそうです。
弁護士と名乗る男は黙った後、「聞いていません、話す余裕がありません!」と。
両親は「では、娘に聞いてきてください」と言うと男は電話を切り、それからかけてこなかったそうです。
両親は直後に私に電話をしましたが、私が運転中か何かで電話に出られなかったこともありかなり焦ったようです。
しかし、合言葉を言っていないのはおかしいと判断して被害に遭わずに済みました。
本当に良かったです。
このような出来事があったため、私の家でも合言葉を作りました。
両親と同様、詐欺の電話だけでなく、何か命の危機が迫っているとき、脅されて電話をさせられているときの2つを作っています。
中2の息子と高2の娘からは「変なのー」と言われ、同い年の夫からは「覚えておくよ~」と軽いノリです。
私は「覚えておいてー! 頭の片隅に!」とことあるごとに頼んでいます。
もしものときに備えてですが、使わずに済むことを願うばかりですね。
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