性別:女
年齢:55
プロフィール:子供は女の子がいいとずっと思っていたけど、実際生まれたのは3人の男の子。夫を頭にした唯我独尊部隊と戦う日々です。
※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。
◇◇◇
我が家の息子たちは、それぞれ職を得てひとりで暮らしています。薄給で生活が苦しいだろうにと思うのですが、滅多なことでは連絡してきません。仮に連絡してくるとしてもSNSかメールです。
便りがないのは元気な証拠。そう思うことにしてこちらからも連絡することはありません。連絡しても煩さがられるだけなので、時折SNSで「元気?」と生存確認。「元気」と返ってきて終わりです。
そんな折、先日26歳の長男から電話がありました。「お父さんとお母さんの生年月日教えてくれる?」。息子が電話をしてくるのは急ぎの時。とりあえず、生年月日を教えたら「ありがと」といってそっけなく切れました。久しぶりに聞く息子の声でした。その時、ふと過去の出来事が頭をよぎり「今のは間違いなく息子だよね?」と急に不安になったのでした。
実は2年ほど前に、次男の名前を名乗って見知らぬ男性から電話がかかってきたことがありました。最初、その電話は夫が出たのですが「Y男(息子の名前)だけど、お母さん居る?」と言われ、声も違うしおかしいなと思いながらも、夫は言われるがままに私に受話器を回してきました。
私が電話を代わると「もしもし? お母さん? 俺、Y男だけど...」と明らかに息子とは違う声。
ちょっと待て。Y男は自分の部屋で爆睡中。明らかにおかしい。
「えっ? Y君? Y君なら今部屋で寝てるけど、君は誰?」
そういうとその電話は切れてしまいました。
もしかして、これはオレオレ詐欺? かかってきた電話に引っかかったフリをする余裕も、こんなことをしてないで真っ当に生きなさいなんて諭す余裕も、とにかく余裕なんてものは微塵もありませんでした。
話に聞いていた通り、明らかに嘘だとわかっていても心臓がバクバクです。
「さっきのは誰だった? なんで息子の名前とうちの電話番号を知っている?」
電話が切れてからは表現できない後味の悪さに不愉快指数がMAXです。
あの時は私ひとりじゃなかったし息子達も家に居たので、そんな電話もかかってきただけで終わりました。
ですが息子たちが家を出た今、これから先のことを考えると「絶対に大丈夫!」と言い切る自信はありません。
おかしいと思いながらも受話器を回してくる夫もいます。
仮に夫婦二人だったとしても、なんかおかしい気がする?とか言いながらも騙される?そんなことがあるかもしれません。
電話で聞く息子達の声は、私の兄や夫の弟などは聞いても区別がつきません。私だって滅多に息子とは電話で話すことがないので、久しぶりなのも手伝って「こんな声だっけ?」と思います。それにいつもは文字でしか会話しないのですから、電話なんかかかってきたら何事かと思ってしまいます。母親ですから、子供が困っていたら自分にできることは何かあるか?みたいなことも先走って考えてしまいそうです。
巷では、ことあるごとに個人情報保護についてうるさくいっていますが、実は個人情報なんて既にダダ洩れなんじゃないかと感じています。なので、すでに漏れていると想定して自己防衛策を考えていかないといけないのかとも思い始めています。
なので、息子達に言いたいです。
「用がなくてもたまには電話一つよこしたらどう? 母さんだって息子の声を忘れる!」
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