不意に頬を伝う涙...。海外在住の50代・独り身の私が、異国で「心の病」にかかり、回復するまで。

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:Baltan
性別:女
年齢:55
プロフィール:海外在住の55歳バツイチの独り者。いろんな失敗を回収しつつ奮闘中です。

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2年前の53歳の頃、ずっと健康自慢だった私が体調不良を感じるようになっていました。

任されたプロジェクトのプレッシャーもあって、生活も不規則で寝不足も続いていたのですが、サプリメントに頼ってなんとか過ごしていたのです。

それでも倦怠感のひどさに閉口し、酒好きがたたって肝臓を悪くしてしまったかも、という心配が頭を巡るようになっていました。

家系的には可能性は低いと思ったものの、「糖尿病」の懸念もぬぐい切れず、仕方なく医者に行って検査を受けました。

私は海外在住で、民間の保険には入っていません。

そのため、最初から専門医には行けず、予約も取れるのが1カ月先がざら、という状況なんです。

散々待って受けた診療と検査の結果は、案の定、寝不足以外には悪い点は見当たりませんでした。

医師からも「睡眠時間をきちんととればよくなるでしょう」と言われ、そのまま日々が過ぎていきました。

いつからか、だんだん頑張ることにも疲れて、将来の夢も何も考えられず、もういっそのこと...とまで思うようになっていました。

45歳で離婚していて、その後、更年期障害も経験済みでサバサバした人生を送っているつもりでしたが、やっぱりいろんなことがあって疲れたのかな...。

そんなことを感じていたある日、仕事場でふいに上司に呼ばれ「大丈夫?」と聞かれました。

疲れが顔に出ていたかなと思い、いえいえ、すみません、大丈夫です、と言おうとした瞬間、涙がツツツ...と頬を伝い、言葉が何も出てこなくなってしまいました。

その時、これは心の問題かもしれない、と初めて気づきました。

実は今年80歳になる母が60歳を超えた頃うつ病を発症し、苦労しているのを見てきた私は、自分はそうなるまい、と気をつけていたつもりだったのです。

母も最初はさまざまな体調不良に悩まされ、いろんな医者にかかっても治らなかったそうです。

藁にもすがる気持ちでなじみの鍼灸医にかかった時に、「これは心の問題ですよ、心療内科に行ってください」と言われてやっと気づいた、という経緯がありました。

前回のように1カ月待つなんて出来そうになく、すぐに診てもらいたかった私は、予約の電話口で、涙ながらに訴えました。

「すぐに診察してもらわないと我慢できないんです! 助けてください!」

幸い、「そういう患者さん」のために取ってある当日枠をすぐに手配してもらえました。

前回とは違い、医師はじっくり優しく私の話を聞いてくれました。

「とにかく落ち着いて、どんなことでも話してみて」

心の病気ではないかと思うと相談したところ、やはりそうでした。

「よく自分で判断してここに来ましたね。ここからは大丈夫ですよ。半年後にはきっと笑えるようになってるから安心して」

説明しながら泣き崩れる私にティッシュを渡してくれた医師は、諭すように言ってくれました。

私はまだうつ病ではなく、うつ傾向の不安症候群と睡眠障害、そして仕事のプレッシャーとこれまでの心労が原因だと思われるので、とにかく数カ月仕事を休むように言われました。

国民健康保険の枠で、無料のカウンセラーも手配してくれて、24時間のヘルプラインを通していつでも連絡できる安心感がありがたかったです。

診断書を会社に提出することで、いろんな面で配慮はしてもらえ、また投薬治療が順調に効果を上げてくれたおかげで、比較的早く落ち着くことが出来ました。

また、ただひたすら話を聞いてくれた遠く日本に住む友人の存在は大きかったです。

たぶん、近くにいて直接顔を合わせるのでなく、オンラインでメッセージのやり取りをしていたのがよかったのではないかと。

心の病気は見ただけでは分かりづらいですが、必ず体に何らかのサインを送っていると思います。

どうかそれを気のせいだと思ったりせず、キャッチしてあげてくださいね。

他の誰でもない、自分自身にしか分からないことですから。

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