60年以上「お米」を作り続けてきた義父。2年前に引退したのに、今年も「100万円以上の資材」を発注してしまい...

<この体験記を書いた人>

ペンネーム:ウジさん
性別:男
年齢:58
プロフィール:妻(56歳)の実家のほど近くに暮らす58歳の公務員です。農業一筋の義父(83歳)が染みついた習慣を捨てられません。

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「まいりましたあ、まさか今年もとは......」

「いや、これは、どうしたもんか......」

妻(56歳)の実家の軒先に山と積まれた袋。

培養土に肥料、土壌改善用の粉剤......。

「会社から帰ったらこれですからね。親父は毎年使うもんだから、当たり前だって平気な顔で......」

義父(83歳)は中学校を出るとすぐ米作りを始め、以来60年以上米作一筋だった人です。

ただ、さすがに年を取ってきて、農作業も大変になってきました。

先祖伝来の田を確実に残しておきたいということで、2年前に営農権を義弟(46歳)に譲り、事実上引退しました。

義弟は会社勤めをしていますが、休日には義父の手伝いをしていました。

義父はそのままできる範囲で農作業を続けていくつもりでしたが、大して広い水田でもないうえに、米価の落ち込む中です。

労多くして益少なしと義弟は判断し、地区で田の委託を受けて集約作業に当たっている方に、昨年から任せることにしました。

「田を手放すわけじゃないんだ。ただ自分で作ってくのは大変だから、人に頼むだけなんだよ」

義父にも了解を得ました。

ただ義父はその依頼した方は「手伝うだけ」と理解していたらしく、1年間の米作りに必要な種もみや土、肥料などを発注してしまい、大量の資材が届いてしまったのです。

幸い昨年は委託した方がまだ発注量を確定していない段階だったので、無理を言って引き取っていただきました。

「まあ、しょうがないけど、土も肥料も僕が使っているのとは違うんですよね......」

委託先の方(38歳)は有機農法に取り組んでいる方なので、しぶしぶ引き受けていただいた格好でした。

さすがに義弟も義父に注意せざるを得ません。

「親父、委託ってのは全部任せるってことなんだよ。うちは委託料を払って、できたコメを引き取る形なんだから、余計なことしないでくれよ」

「はあ、そういうもんなのかあ......」

義弟が言っても、分かったような分からないような雰囲気の義父に不安は残りました。

それが去年のことで、そして今年、不安は的中。

またも大量の資材が届いてしまった...というわけです。

「さすがに今年は無理か? 委託先に引き取ってもらうの」

「去年は最初だったんで、委託料の一部を物納っていう形にしてもらいましたけど、あくまでもサービスでしたからねえ」

大量の資材を前に義弟は頭を抱えました。

「自分の田んぼの用意をするのは当たり前だろ? 誰がやるかは関係ねえ」

義父は自分の義務を果たしたと言いたげです。

この頃は物言いもちぐはぐになりがちで、少しボケてきている感じのする義父に、また義弟や妻と一緒にしつこく説明するしかありません。

「引き取ってもらえるものは農協さんにお願いしてみますけど......。去年も、出荷量を計算して納品してるから原則的には引き取れないって言われてますからねえ」

「返品できるのはごく一部ってことか」

「全部合わせると100万円以上の買い物ですからねえ、痛いですよお」

ため息をついている義弟には、慰める言葉もありません。

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なにもしない人は気楽ですよね。 昨年の事で不安だったのなら今年時期が来たときに話をすればよかったのに。農家の娘を嫁にもらったけど自分は関係ないから気にもしなかったのですよね。

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