<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ミカ
性別:女
年齢:53
プロフィール:共働きの主婦です。小説講座に通っています。そこで出会った女性に困らされています。
53歳、共働きの主婦です。
55歳の夫と2人暮らしで、子供はいません。
あまり他人には言っていませんが、小説家を目指し、4カ月前から小説講座に通っています。
その小説講座で知り合ったAさん(53歳女性)に、困っています。
Aさんとは、小説講座の体験入学で初めて会いました。
Aさんはショートカットで化粧っ気がなく、体格のいい女性でした。
同世代の小説家志望の女性というと、ちょっとオシャレなマダムといった感じの方も多いのですが、Aさんは素朴な主婦といった印象でした。
その日の体験入学者は、私とAさんだけでしたので、必然的に私たちは、隣同士の席に座りました。
Aさんは、物怖じしない性格のようで、「これ読んでみて」と初対面の私に、原稿用紙一枚程度の作品のプロット(あらすじ)を押しつけました。
死神が人間の女性に恋をして、最後には彼女のために人間になるという、どこかで聞いた覚えのあるものでしたが、Aさんは自信満々。
「面白いでしょ。講師に見せたら、すぐに出版社を紹介してくれると思うのよ」
一方的にまくし立てる彼女に、私は「はぁ」としか答えられませんでした。
講座は、聞いていたとおり、生徒がプロットと原稿の一部を、講師やその場にいる生徒に読んで貰い、講評を受けるというスタイルで進んでいきました。
小説講座のなかには、「みんなで楽しく書きましょう」といった感じのサークル的なものもあります。
ですが、私とAさんが体験入学したのは、本気でプロを目指す人のための、本格的な講座です。
ですので、講師はもちろんのこと、生徒同士も、褒め合うようなことは一切なく、「平凡」だとか、「キャラが立っていない」など、厳しい感想を言い合っていました。
私も「ご都合主義の部分が多い」と遠慮のない講評を受けました。
そして...Aさんは「論外」「プロットから練り直した方がいい」と散々な言われようでした。
私は、厳しいのは承知のうえでしたし、どうせ習うなら、このくらい厳しくてちょうどいいと思い、入学を決めました。
ですが、Aさんは入学しませんでした。
自信作を酷評されたのが、かなりショックだったようで、顔が青ざめていました。
私は気の毒に思い、帰りにお茶に誘ったのです。
でも...今となっては、同情なんかするんじゃなかったと思います。
「なんと言って慰めよう」と思案しながら喫茶店の席に着くと、Aさんはいきなり店内に響き渡る大声で言いました。
「ホントに酷い講座よね。講師も生徒もレベル低い」
「私の作品の価値がわからないなんて、講師はバカだ」
「みんな私の才能を僻んで、潰そうとしている」
などと勘違い発言を連発しました。
Aさんは落ち込んでいたのではなく、怒っていたのです。
「天才は、どこの世界でも理解されにくいのよね」
Aさんは最後にそう言って自己完結すると、連絡先の交換を迫ってきました。
断る術もなく教えたところ、翌日から、1カ月に1、2回のペースで、Aさんから自作の小説が、メールで送られてくるようになりました。
どれも「若死にした青年が、幽霊となって恋人の危機を救う話」のような、どこかで聞いたことのある設定のものばかり。
しかも本文は小説の形をなしていないレベルです。
なのにAさんは「どう? 面白いでしょう」と褒め言葉を強要してきます。
面倒なので「いいと思うよ」と答えると、「どこがよかった?」と突っ込んでくるので、ほとほと困り果てています。
逆恨みされずに、縁を切る方法はないでしょうか。
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