<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ゆきんこ
性別:女
年齢:50
プロフィール:3人の子どもがいるシングルマザー。仕事も育児も全力でした。
長男が現在23歳で社会人1年目、大学生の長女と、高校1年生の次男の3人兄弟をもつシングルマザーです。
末っ子が生まれて間もなく離婚。
子ども達には父親がいないということで、寂しい思いだけは絶対させたくない!
そう思って女手ひとつで必死に働いてきました。
決して裕福ではありませんでしたが、誕生日やクリスマスはリクエストを聞いたり、習い事もなんとかやらせてあげることができました。
末っ子が小さい頃は、上の子が保育園にお迎えに行ってくれたり、私の誕生日には兄弟で話し合って食事の準備をしてくれたり、大変な毎日でも子どもの成長は心の支え!
「何があっても、子ども達から目を背けない、逃げない」
そう決めていた私。
しかし、1度だけ「もう限界」と心が折れそうになったことがあります。
それは、次男が高校入学をした年の夏休み明けのこと。
育児もひと段落かなと思っていましたが、甘かった......。
高校受験を終えてから、次男は門限を守らなかったことがありました。
「羽根を伸ばしすぎているかな」と心配だった私。
しかし、アルバイトも始めたし、お金の大切さや、稼ぐ大変さも理解してくれるだろうと思っていました。
地方の大学を卒業し、地元で就職をした長男も戻ってきたし、私の「お母さんスイッチ」が少し緩んでいたのかもしれません。
仕事中に次男の高校から電話が。
聞くところによると、昨日と今日学校に来ていないとのこと。
話をしたいので、次男と学校に来るよう呼び出しがありました。
仕事の都合で、次男より早く出発しているので、見送ってはいないのですが、昨日も今日も、いつも通り起きて、制服姿だったので頭が混乱!
慌てて次男に電話するも、なにかを察したのか出ません。
念のため長男に連絡。
すると、ほどなくして長男から「居場所が分かった。家に帰らせるから」とLINEが。
帰宅すると、ふてくされた顔の次男が家にいました。
ひとまず、次男を連れて学校へ。
道中、私が話しかけても無視。
目も合わせない状態です。
学校で「2日間遊んでいた」と白状しましたが、反省の様子は伺えません。
その後も何度か学校に呼び出されることがありました。
それまで離婚後は、絶対に私一人で育て上げる! と気を張っていましたが、この時ばかりははじめて「父親がいなくちゃダメだったかな」と自分を責めました。
家庭内もピリピリ、トゲトゲしている次男と、意気消沈している私でなんとなく暗いムード。
この雰囲気を変えようと立ち上がってくれたのが長男でした。
長男はちょくちょく次男を連れて外出するようになりました。
次男は私には素直に話せないことも、長男には話しているようです。
すっかり大人になった長男が、父親代わりになってくれたおかげで、少しずつ落ち着いてきました。
「今、勉強しておかないと、俺みたいになるからな」と次男に声をかける長男。
しかし、私は「お兄ちゃんみたいな大人になって」と心の中で叫び涙を堪えました。
すっかり大人になった長男に感謝しかありません。
家庭を持つまでは、私も一人で頑張りすぎず、長男に頼らせてもらおうかなと思っています。
私に言わないだけでたくさん苦労してきたと思うけど、「家族思いの大人」になってくれてありがとう。
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