<この体験記を書いた人>
ペンネーム:はっちん
性別:女
年齢:48
プロフィール:義父と同居のパート主婦です。
去年義母が亡くなったのをきっかけに、80歳の義父と同居を始めました。
それまで義父母が住んでいた家は人に貸して、近所にある私達の家に引っ越してもらいました。
同居をする前は、子供を預かってもらったり、お正月などに食事を一緒にしたりする時にしか顔を会わせる事がなかった義父。
無口なのには気付いていましたが、子供達と話す時は、満面の笑みでいつまでも話しています。
私とも笑顔で話してくれるので、日常的に顔を会わせていれば子供達と同じとはいかないまでも、色々と話してくれるようになるだろうと考えていました。
ところが、いざ生活を始めてみると、話どころか声を出して返事すらしてくれません。
最初はたまたま機嫌が悪かったのだろう、と気にしないようにしていました。
でも、日が経つにつれて「そうではない」事が分かってきました。
常に「頷く」以外の返事をしてくれないのです。
一緒にいて顔が見えるのなら頷くだけでもいいのですが、キッチンで食事の支度中など、顔が見えない時にはとても困ります。
何度も大声を出して聞いても返事がないのでイラっとすることが多々あります。
食べるか食べないかを聞かれているのに、いるいらないの返事すら声を出さないのは、私には理解できません。
実は嫌われているのかと不安も感じます。
そしてこのイライラが続くと、「いつか自分が義父に怒鳴ってしまうかも」という心配がありました。
そこで夫に相談してみると、「自分が子供のころから、必要最小限の会話しかない父親だった」と言われたのです。
でも、夫は無口ではありません。
似ていないの?と思い、夫に改めてどんな人なのか聞いてみました。
義父は「男とは」という気持ちの強い人で、家では王様で通してきたそうです。
一昔前によく揶揄されていた「風呂」「メシ」「新聞」しか言わない旦那さん像と同じでした。
帰宅して居間に腰を下ろすと、立たなくてもいいように何でも義母がやってあげてきたそうです。
食事に関しても、義父の好物が最優先で、果物は直ぐに口に入れられるようにひと口大に切って出していました。
声を出して返事をしないのも昔から。
夫が一緒に住んでいた頃は、夫が話かけるといちいち義母が義父に聞きにいくという中継役をつとめていたとのことです。
「昭和の男性」と言われる人の典型なのだろう、と理解しました。
夫は慣れているので変には映らないみたいですが、私はやっぱり、声を出して返事をしないのは相手に失礼だと思います。
もう義母はいませんし、中継役を務めるべき夫も、いつも家にいるわけではありません。
今は、現状を受け入れて、一言でもいいので返事をしてもらうにはどうしたら良いのか考えを巡らせる日々です。
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