介護にはつかず離れずのスタンスが必要/山田あしゅら

こんにちは山田あしゅらです。

『13番さんのあな―介護家庭の日常―』というブログで義両親の介護の様子を嫁の目線で綴り始めて10年以上が経ちました。義両親と同居しながら介護をしていた当時のことを思い出しながら書いています。

前回の記事:お試しデイサービスはどうだった?帰りの車でリサーチしてみると.../山田あしゅら

今から7~8年前、義父は自分で買い物に行き、昼に食べるものを自ら調達していました。

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雨降りが続く時は希望を聞いて私が買ってくることもありましたが

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義父自身これもリハビリのひとつだと思っていたようで、かなり歩行が危うくなるまで買い物行脚は継続しました。

けれどその随分前、義父母がほぼ同時にリタイアした直後、朝昼晩の3食は私が賄っていたのです。

現役時代は朝晩だけで良かったのが昼もとなると事情は違ってきます。

昼間、子どもの学校行事などで家に居られない時もありますので、そういった時はお弁当を作って置いておくこともありました。

義母はもともと家事全般が苦手な人でしたし、既に『ご飯を作るのは嫁』が定着してしまっていた我が家。私も長年続けていた意地があったのかも知れません。

義父の昼食自己調達が始まったのは

自身のうつが抜け、義母の認知症が急激に悪化する少し前のことでした。

言いだしっぺは義父。

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と宣言し、私は数年続いた義父母の昼食づくりから解放されることに。

義父には「自分たちの食い物ぐらい女房(義母のことです)だって作れるだろう。」という『もくろみ』があったようですが

元々やってこなかったことが急にできるわけもなく、認知症の症状が現れはじめていた義母にとっては尚更困難なことだったのです。

義父の『もくろみ』は見事に外れ

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かと言って、義父自身が台所に立つことはまずありませんでしたから

コンビニ弁当など出来合いの物を買うようになるまでそれほど時間はかかりませんでした。

それでもその頃はまだ買って来るメニューも結構バラエティーに富んでいました。

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ところが義母がデイサービスに通うようになり、二人一緒に行動しなくなると

見事なまでに昼のメニューが定番化してしまったのです。

雨降りなどで買い物に行けない時など

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頼まれるのは

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①黒砂糖入りコッペパン×3本

②4連パックのヨーグルト×2P

③ちくわ5本入り×2袋

④みかんゼリー×3コ

決まってコレです。

天気のいい日に

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自分で買いに行ったとしても

増えるのは目に付いたお菓子ぐらいで

『定番昼食』はほぼ同じもの。

おそらく義父の買い物は義母の認知症の進行を抑える目的もあったのでしょう。

それがなくなってしまったからなのか?

はたまた食べたいものをあれこれ考えるのが面倒になったからなのか?

たまに

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と、声をかけてみるのですが

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と聞く耳を持ちません。

私も昼間、食事の手間が省ける楽さに慣れてしまいましたし。

義父の買い物もリハビリの一環とこじつけて、それ以上は何も言わなくなってしまいました。

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義父の引っ込みがつかなくなったつっぱりと

『嫁はこうあるべき』の呪縛からの解放。

利害が微妙に一致したところで後は成り行きまかせ。義父の『定番昼食』はそれからしばらく続くことになりました。

『介護にはつかず離れずのスタンスが必要』

これは当時のブログ記事にいただいた読者のコメントですが、今思うと本当にその通りだと思うのです。

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山田あしゅら

50代後半の主婦。息子3人はそれぞれ巣立ち、現在は孫が2人のおばあちゃん。指定難病及びうつ病の義父(太郎)と認知症の義母(はな子)の介護の日常を綴ったアメーバブログ「13番さんのあな―介護家庭の日常」は11年以上続き、現在も継続中。

義父は入院をきっかけに2017年7月、老健へ入所。2019年肺炎により再度入院。同年4月28日逝去。行年90歳。

義母は週5日デイサービスに通いつつ在宅で介護されていたが2018年1月体調を崩し入院。療養病棟へ移り現在に至る。94歳。

在宅期間の日常を題材にした著書『毒舌嫁の在宅介護は今日も事件です!』を2017年7月に出版した。

※ 毎日が発見ネットの体験記は、すべて個人の体験に基づいているものです。

山田あしゅらさんのブログ:「13番さんのあな―介護家庭の日常」

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