<この体験記を書いた人>
ペンネーム:masako
性別:女
年齢:53
プロフィール:主婦です。55歳の夫と二人暮らしです。1999~2002年の間、アパレルメーカーの派遣社員をしていました。
53歳の共働きの主婦です。55歳の夫と2人暮らしです。
コロナ禍関連のニュースで印象的だったのは、百貨店の売上の減少です。
ニュースによれば、自粛要請などの影響で、前年比で7割減の百貨店もあるとか。
1999~2002年の間、婦人アパレルメーカーの派遣社員として、いくつかの百貨店で販売員をしていた私としては、かなり衝撃的かつ感慨深いニュースでした。
私が働いていた頃の百貨店は、すでにバブルは弾けていたとはいえ、現在に比べれば、恐ろしく景気がよかったです。
販売員は売上アップのために全力で接客し、1%でも前年の売上を下回ると、問題視されたくらいです。
また、アパレルメーカーにとって「百貨店に商品を置いて貰う」ということは、一つのステイタスだと言われていました。
売上の大半を百貨店が占めているメーカーも多かったです。
そのせいか、百貨店の社員はアパレルメーカーに対してひどく強気に見えました。
たとえば、アパレルメーカーから百貨店側のショップに派遣される女性販売員に対して、「30代半ばまで。器量が良ければ40まで可」などと、セクハラ紛いの条件をつける管理職(主任やマネージャー)も少なくなかったのです。
今なら、確実に問題になりますよね。
私は当時30代前半でしたので、年齢的にはギリギリ問題なかったはずです。
それでもアパレルメーカーの営業担当者から、「百貨店側からクレームがついたら助けられないから、社員さんにはなんとしても好かれるように」と言い含められました。
実際に「社員とうまくやれない」「ウチの店の雰囲気に合わない」など、百貨店側からの要請で、店を異動させられたり、退職に追い込まれたりする販売員を何人も見てきました。
なかでも2000年の夏、30代の若い男性マネージャーが、50歳のベテラン女性販売員(アパレルメーカーからの派遣社員)に対して言い放った一言は忘れられません。
男性マネージャーは50歳の販売員に近づき、「年はいくつ?」「この仕事をして何年?」などと質問を重ね、販売員が答えたのちに淡々とこう言いました。
「ふーん、ベテランだね。でも、うちの店にババアはいらないんだよ、売場が汚く見えるから」
私を含め、近くで聞いていた販売員たちは凍り付きました。
言われた50歳の販売員も、こわばった顔のまま立ちすくむだけでした。
現在なら大問題になる暴言でしょう。
ですが、この頃はまだコンプライアンスなどという言葉も浸透しておらず、百貨店の力も強かった時代です。
この暴言は咎められることはなく、けっきょくのところ50歳の販売員は別の店に異動になりました。
あの暴言を吐いたマネージャーは、今頃どうしているのでしょうか。
そして、現在の百貨店の状況をどう思っているのでしょうか。
訊けるなら、訊いてみたいものです。
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