<この体験記を書いた人>
ペンネーム:ふーこ
性別:女
年齢:40
プロフィール:最近ヨガを始めてみました。気持ちがいいです。
私が勤めている会社は支社で、営業14人と事務職5人がいます。
7年前に正社員として入社しました。
面接の時は風通しがよく、社内はみんな仲が良いと聞いて入ったのですが、蓋を開けてみたらお局さんがいらっしゃいました。
年齢は現在47歳で私の7つ年上です。
初めこそ「何でも聞いてね」と笑顔で優しく言ってくれました。
しかし、その「笑顔の仮面」は一週間ほどで剥がれ落ち、舌打ち、冷たい視線、大きなため息とお局さんのしぐさが気になるようになりました。
私がいくらきちんと仕事をしても、彼女の思い通りに仕事をしなければOKと言ってもらえません。
一番くだらないと思ったのは資料のホッチキス止めのとき。
私は左端を斜めにホッチキス止めしていったのですが、お局さんは斜めが嫌だったようです。
「紙の端と平行に止め直せ」と言われました。
合計30部の資料を全て「平行に」止め直した私は、「大人しく従っていこう」と思いました。
それ以来「はい」と返事をするか「すみません」と謝る日々が始まりました。
そんなお局さんがいるので社員の入れ替わりも早く、正社員ではなく派遣社員を採用することが増えました。
でも、そんな中で...救世主が現れたのです!
そのときも、一人の派遣社員がお局さんの「圧」に耐え切れず早々に辞めることになり、新たに採用することになったのです。
新たに派遣で来てくれたのは、20代後半の女性。
セミロングの髪にパーマをかけ、声も高く、スカートが似合うとてもかわいらしい子でした。
年齢を聞かなければ学生でも通じるのではないかと思うぐらい若い印象です。
「でも、きっとこの子も早く辞めちゃうんだろうな」と私は思いました。
「守ってあげられなくて悪いなぁ」という罪悪感と共に、私は彼女に自分の仕事の一部を引き継ぎ始めました。
そしてお局さんはさっそく彼女をターゲットに。
「電話取るとき髪の毛邪魔だからしっかり結んだら?」
「この入力、今まで通りにしてほしいんだけど」
気に障ったことをどんどん言っていきます。
でもそのたびに彼女は「はい!」と大きな声で返事をして、気にした様子はありません。
「偉いな」「凄いな」と思いながら見ていました。
......が、一週間後。
彼女がお局さんに「反撃」を始めたのです。
「この資料、文字小さすぎ」と言われた時に、なんと「もしかして老眼はじまったんですか⁉」とのひと言。
また、「まだこの資料ファイリングしてないの?」と言われた時には、「そうなんですー。この会社のファイリングの仕方分かりにくいから、私が改革しちゃいます! レボリューションです!」。
お局さんの小言にたいしてどんどん斬り込んでいきます。
可愛くて明るいだけでなく、仕事もできる彼女。
社内だけでなく社外からの評判もよく、次第に私を含めた他の事務職も彼女のとりこになっていきました。
みんなが彼女を頼り始め、お局さんは居場所がなくなり、やがて子どもを理由に退職しました。
それから数カ月後、彼女は旦那さんの転勤で会社を去ることになりました。
彼女は最後に、私が今後、事務職を仕切れるような仕組みをさりげなく作っていってくれました。
最後の日、二人で飲みに行き別れ際に言われたのは「私、天然じゃなくて、養殖なんですよ」でした。
「天然っぽくしてると、周りの警戒心が緩んで自分の思い通りに運びやすくなるんですよね」とニコニコとした可愛い笑みで言われました。
「全て計算してやっていたの!」と思うと開いた口がふさがりませんでした。
とにもかくにも、お局さんがいなくなり、彼女には感謝してもしきれません。
今は仕事が楽しいです。
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